ttp://www.sankei.co.jp/news/060408/morning/column.htm ★産経抄 〔平成18(2006)年4月8日[土]〕
■どうした風の吹き回しなのだろう。北朝鮮の高官二人がそろって日本にやってきた。彼らは核
開発を扱う六カ国協議の北の首席代表と次席なのだという。日本には金輪際くることはないと思
っていたから、意表を突く来日だ。▼米国による金融制裁が効いて、背に腹は代えられぬという
ことか。偽ドル札をせっせと刷って、マカオの銀行を通じた資金洗浄で国家財政を支えてきた。
だが、北朝鮮口座の凍結でとたんに干上がった。米財務省に懇願してみたが、ニベもなく拒絶
された。▼当たり前だろう。財務省は禁酒法時代に暗黒街の顔役アル・カポネと対決した「アン
タッチャブル」の取り締まり本拠地だった。ドルの管理どころか、つい最近まで大統領警護のシー
クレットサービスを担当していた怖い役所だ。日本の財務省のように柔なエリートじゃない。▼金
正日体制の権力基盤は、カネと軍だから資金が細ると地盤が崩れる。小欄の独断だが、米国と
いう「将」を射んとせば、まず日本という「馬」を射よと来日を決めたに違いない。日本に六カ国協
議の代表を送り込めば、米国との仕切り直しが可能だ。ヒル代表はこわもて財務省と違う国務
省の役人である。▼北は「金融制裁の解除なくば参加せず」といっていたが、民間主催ならその
限りにあらずだ。日米朝が動くと、中韓露の三カ国の代表もそろい踏みになる。拉致解決への
期待をもたせれば、日本から資金を分捕ることも夢じゃない、か。▼だが、六カ国協議の議長国、
中国の真意がつかめない。米国が昨年九月に「北への軍事攻撃なし」を宣言してから、対北積
極投資に転じた。直前には国防相が訪朝して軍事協力まで合意している。せいぜい中朝の師
弟の契りに気をつけよう。
【産経抄】意表を突く北朝鮮高官の来日…拉致解決への期待もたせれば、日本から資金を分捕ることも夢じゃない[4/8]
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