北朝鮮による拉致の可能性が排除できない特定失踪(しっそう)者の問題で、県内
の失踪者三人の家族や支援者が十一日、大飯、高浜両町と名田庄村を訪れて解決への
支援を訴えた。小浜市の拉致被害者、地村保志さん(50)夫妻の帰国から十五日で
三年になるのに合わせ、北朝鮮への経済制裁発動を求める意見書可決を県内市町村議
会に広げる運動を強める狙い。可決済みの大飯町ではお礼を、高浜町では協力を要請
した。
県内の失踪者三人は、小浜市の山下春夫さん=一九七四年の失踪当時(28)▽敦
賀市の山下貢さん=八九年の失踪当時(39)▽若狭町(当時三方町)の宮内和也さ
ん=九七年の失踪当時(32)。この日は山下春夫さんの兄寛久さん(84)ら家族
三人と救う会福井の池田欣一会長が訪れた。
九月議会で意見書を可決した大飯町では、時岡忍町長や浦松清八郎議長らが出迎え、
家族らは「経済制裁に世論を盛り上げなければならない時に可決していただいた。こ
れを機に県内の議会が束になってほしい」とお礼を述べ、あらためて支援を要請。そ
の後訪れた高浜町では藤本誠議長が「十二月議会で意見書を可決させたい」と応じた。
◆22、23日に小浜の食文化館前で署名活動
家族らは今月二十二、二十三の両日に小浜市の食文化館前で署名活動を展開。来月
二十一日には「嶺南地区特定失踪者の真相究明を願う会」による集会が敦賀市のあい
あいプラザで開かれる。(奥田 哲平)
ソース:北陸中日新聞
http://www.hokuriku.chunichi.co.jp/00/fki/20051012/lcl_____fki_____004.shtml