先週末、中国では権力者たちが
世界最大の人口と世界第7位の経済を持つ国家の今後を決める5か年計画を定めていたが、
一部の人々にとっての一番の関心事は未来のスターだったようだ。
「正直この2日間、"チャイナ・ドリーム"のことしか頭になかったことを告白しなければなりません」
シャオ・ジャンさん(30)は言う。
「チャイナ・ドリーム」はオーディション番組で、次の国民的スター歌手が選ばれる。
「ほんとに中毒状態で、昨晩は10時まで眠れませんでした」
チャオさんは北京の街角で友達と立ち話をして笑いながら、そう言った。
土曜日、中国共産党の胡錦濤は4日間にわたる総会を開幕させた。社会的な緊張を抑え、
彼の「調和社会」建設を押し進める方法を協議し、また後継者を指名するかもしれないと言われていた。
しかし市井の人々にとっては、この中国民主主義の手続きはあまり意味がないものだった。
月曜日でさえ、早朝のテレビ番組のいくつかは「チャイナ・ドリーム」報道に集中していた。
共産党は1949年以来ずっと権力を独占してきた。反対意見はめったに取り入れられず、
一般市民の国政への参加という理念に関しては口先ばかりだった。
比較的豊かな南部・広東省の地方民主主義は週末、暴力と流血によって汚された。
タイシ村を訪れた中国の活動家と海外からの記者がリンチを受けたのだ。
タイシ村では、7月より公共資金を横領していた疑いのある村長の辞職を求める村民の活動が起こっていた。
共産党は社会の安定を第一とし、
ソビエト時代のウクライナやグルジアで政府を倒したような反乱の可能性を取り除こうとした。
胡錦濤は、自分は人民の一員であり、
中国の経済ブームから取り残された持たざる者であるというイメージを打ち出そうと試みている。
配達員のラオ・ティアンさん(50)は、北京の運河の脇に積まれた紙をめくりながら語った。
「暮らしていくのに精一杯で、政府の方針を心配している場合ではありません」
「この大会がどんなものだかさっぱりわかりませんし、彼らが何を決めようと、
結局のところ私とは関係ないということは確かです」
政府の厳しい報道管制と、毎日の公式会談報道にも関わらず、国民13億人のうち相当数が、
生活に直接影響を与えるかもしれない総会を無視することに決めたようだ。
「テレビで何か見た気はします」北京の5つ星ホテルの近くで海賊版DVDを売るシュイ・デファンさん(24)は言う。
「もう一度言って、誰が参加してるの?」
http://www.excite.co.jp/News/odd/00081129088205.html