世界最高峰エベレスト(中国名チョモランマ)の標高を測定していた中国国家測
量局は9日、1975年に測定した標高(8、848.13メートル)より3.7メートル低
い8、844.43メートルとの結果を発表した。同局は「新しい技術を導入した精密
な測量」の成果と強調、今後は新たな公式データとして使用する方針だ。
同局によると標高が"低下"したのは、75年の測定で92センチとした山頂の氷雪
の厚さが3.5メートルだったことが大きな要因。測定方法が精密になり標高測量
の基準面が「70センチ上昇した」(同局)ことも影響したという。
今回の測量プロジェクトは3月にスタート。衛星利用測位システム(GPS)を使い
観測したほか、5月には測量隊員が登頂し特殊なレーダーで氷雪の厚さを測定、
「75年の調査と異なり厳密な調査結果を得られた」(同局)としている。
記者会見した陳邦柱局長は「これまでで最も正確で信頼できるデータだ」と述べ、
国際的に認知されることに自信を示した。
エベレストの標高については、米地理学協会が99年にGPSによる観測で8、850
メートルと発表。中国側はこのデータを承認しておらず、その後も75年の測定結果
を使用してきた。
■エベレスト 中国とネパールの国境にある世界最高峰。中国名はチベット語の
チョモランマ。19世紀半ばにインド測量局の調査で世界最高峰と判明、同局長官と
して功績があったジョージ・エベレストにちなんで名付けられた。標高は当初8840
メートルとされていたが、1954年の測定で8848メートルとなった。中国は75年の
測量で8849.05メートルとした上で、頂上の氷雪の厚さを92センチとして標高を
8848.13メートルと結論付けた。米地理学協会は99年、衛星利用測位システム
(GPS)による精密観測で8850メートルと発表した。
ソース : 産経 (共同)
http://www.sankei.co.jp/news/051009/kok063.htm