【マンガ嫌韓流】朝日新聞書評欄が『マンガ嫌韓流』を取り上げ。評者は唐沢俊一氏 ★2[09/25]

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1犇@犇φ ★:2005/09/26(月) 00:53:51 ID:??? BE:310449877-

■「素直さ」がはらむ問いかけ (唐沢 俊一)

 知識人と呼ばれる人々はたいてい、ベストセラーがお嫌いである。たまに読んでも、まずほとんどが、
「(いやいやながら)読んではみたがなにほどの内容もない。なんで大衆はこんなレベルの低いもの
を喜ぶのか」というようなお叱りがほとんどである。…しかし、これはベストセラーの本質をわかってい
ない言である。ベストセラーがベストセラーたり得ているのは、内容ではなく、社会の基層に蔓延した
”感情”をすくいあげていることが、大抵の場合その理由だからである。オイルショックによる社会不安
が『ノストラダムスの大予言』をベストセラーにし、団塊の世代を中心とした中高年層の老いへのあせり
が渡辺淳一の不倫小説をベストセラーにする。これらはその時点々々での日本の大多数の国民感情
を映した鏡なのである。

 その意味で、最近話題の『マンガ嫌韓流』を取り上げる際には、その内容の分析よりも、こういう本が
ベストセラーになるまでに、日本社会の中に嫌韓流という感情が広まっている、という事実を確認する
ための検証の視点が大事になる。すでに発売当初において、同じ嫌韓流の人々たちからも、「ネットで
流通している情報をまとめただけで新味はない」「構成、作画などマンガとして見れば決して出来はよく
ない」という批評がなされているのを今さらなぞっても仕方ない。

 作者をはじめ、この本を支持している若い読者層は自分の感情を素直に表明することを是として教育
を受けてきた世代である。その彼らに、なぜ嫌いなものを嫌いと言ってはいけないと強制するのか、本
の内容の否定の前に真摯に回答する義務が、われわれ大人世代、そして知識人諸氏にはまず、求め
られるのではあるまいか。多くのベストセラーがそうであるように、この本も、この本を嫌う人々がまず、試
されているのだと言っていいだろう。

▽ソース:朝日新聞 2005年9月25日 朝刊15面

▽前スレ: http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1127623561/