再送:アジア通貨動向(9日)=総じて横ばい、ルピアは上昇
2005年 09月 9日 金曜日 13:36 JST
[シンガポール 9日 ロイター] 9日午前のアジア通貨市場は、
大半の通貨が対ドルで横ばいとなる中、インドネシアルピアは0.5%超上昇し、
1米ドル=約1万0300ルピアを付けた。
今週に入って原油価格が下落し、インドネシア銀行(中央銀行)が積極的な
金融引き締めに乗り出したことを受け、ルピアの地合いは引き続き回復している。
大半のアジア通貨はこの日、全般的な米ドルの上昇を受け、軟調に始まったが、
ドルが伸び悩んだことを受け、下げ幅を縮小した。
台湾ドルは一時、1米ドル=32.844台湾ドルの10カ月ぶり安値を付けたものの、
0325GMT(日本時間午後零時25分)時点では、1米ドル=約32.773台湾ドルまで回復している。
シンガポールドルと韓国ウォンも、序盤の下げから回復に転じている。
シンガポールのあるトレーダーは、「市場は、ほとんど方向感がない。
主に動いているのはルピアだが、それも今は落ち着いている」と述べ、「市場は米金利がどうなるのか、
金利引き上げ局面が終了するのかどうかを知る必要がある」と指摘した。
トレーダー達は先週、米連邦準備理事会(FRB)がハリケーン「カトリーナ」の影響を調査するため、
20日の連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げをいったん停止させるかもしれないと予想していた。
しかし今週は、FRBが利上げを継続するという見方が強くなっているようで、
米ドルが対アジア通貨でおおむね上昇している。
JPモルガンの通貨ストラテジスト、クローディオ・ピロン氏は「米ドルに対するセンチメントは改善した。
しかし、20日のFOMCがどうなるかは分からない。これが市場にとってリトマス試験になるだろう」と述べた。
一方インドネシアルピアは、国内銀行によるルピア買い/ドル売りと、
フィッチ・レーティングスによる、インドネシアの現在の格付けを妥当とみている、との発言に支援された。
ルピアの対ドル相場は先週4年ぶり安値を付けており、ディーラーは、ルピア安定のためには、
燃料補助金の削減に向け、政府のさらなる行動が必要だとみている。
インドネシアは大量の原油を輸入に頼る一方、補助金を用いて国内の燃料価格を低く抑えている。
政府は原油輸入代金支払いのためルピア売り/ドル買いを余儀なくされており、
自国通貨・経済に打撃を与え、インフレ懸念を煽る結果となっている。
ジャカルタのあるトレーダーは、「市場のセンチメントはニュートラルで、
政府の次の行動を待っている」と述べた。
*0338GMT(日本時間午後零時38分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は次の通り。
シンガポールドル 1.6777 台湾ドル 32.773
韓国ウォン 1026.90 タイバーツ 41.02
フィリピンペソ 56.10 インドネシアルピア 10305.00 ←
マレーシアリンギ 3.7690 人民元 8.0967
ロイター
http://www.reuters.co.jp/financeNewsArticle.jhtml?type=forexNews&storyID=9605255