アジア通貨動向(7日)=総じて小幅下落、米ドルの地合いが改善
2005年 09月 7日 水曜日 14:23 JST
[シンガポール 7日 ロイター]7日午前のアジア通貨市場は、大半の通貨が対ドルで小幅下落。
強い内容の米経済指標が発表されたことを受け、米ドルの地合いが改善した。
インドネシア中央銀行が6日、過去1週間で2度目となる大幅利上げを決定したことにより、
インドネシアルピアの下落には歯止めがかかった。
インドネシア中銀は、1カ月物短期証券(SBI)金利の目標水準を9.5%から
10.0%に引き上げることを決定。また追加的なルピア支援策も発表した。
ディーラーによると、ルピアは1米ドル=1万0350/60ルピアで推移している。
ハリケーン「カトリーナ」が米経済に与える影響への懸念から売られていた米ドルが回復したことで、
アジア通貨が圧迫されている。
米供給管理協会(ISM)が6日に発表した8月の非製造業部門の景気指数では、
サービス部門が予想を上回るペースで成長したことが明らかとなり、ドル上昇の一因となった。
韓国ウォンなど一部のアジア通貨は、堅調な国内の株式市場に支援され、上昇した。
ソウル株式市場の総合株価指数(KOSPI)<.KSII>は、原油価格の下落と国内経済の楽観的見方に
支えられ、1994年以来の高値を付けた後、過去最高値の水準近辺で推移している。
台湾ドルは、約0.4%安の1米ドル=32.706台湾ドル。海外の資金が流出しているほか、
中銀による定期的な米ドル買いに押されている。
タイバーツは、小幅安の1米ドル=41.160バーツ。市場関係者は、タイ中央銀行がこの日、
金利を25ベーシスポイント引き上げ、3%にすると予想している。
ディーラーらは、7年間続いているインフレに対処するための25ベーシスポイントの利上げは
すでに市場で織り込み済みで、為替への影響は限定的だとみている。
また、今週発表された経済指標が予想以上に強かったことから、より大幅な50ベーシスポイントの
利上げの可能性も出てきており、大幅な利上げが実施されればバーツの支援材料になると述べた。
あるバンコクのトレーダーは、「25ベーシスポイントの利上げは、誰もが織り込み済みだ。
中銀はこの幅で利上げを行うと思う」と予想した。
*0403GMT(日本時間午後1時03分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は次の通り。
シンガポールドル 1.6769
台湾ドル 32.670
韓国ウォン 1024.80
タイバーツ 41.08
フィリピンペソ 56.11
インドネシアルピア 10370.00
マレーシアリンギ 3.7680
人民元 8.0921
ロイター
http://www.reuters.co.jp/financeNewsArticle.jhtml?type=forexNews&storyID=9579602