アジア通貨動向(5日)=総じて上昇、米利上げ停止観測で米ドルが軟調
2005年 09月 5日 月曜日 14:00 JST
[シンガポール 5日 ロイター] 5日午前のアジア通貨市場では、大半の通貨が対米ドルで上昇。
最近の弱い米経済指標や、ハリケーン「カトリーナ」が米経済成長を抑制するとの見方から、
米国の利上げが一時停止するのではないかという観測が台頭しているのが要因。
シンガポールドルと韓国ウォンはともに、1週間以上ぶりの高値に上昇。
台湾ドルは約0.4%上昇して、およそ1週間ぶりの高値を付けた。
IDEAグローバルのアナリストは、「米ドルが全般に軟調になっており、今週はこの基調が続くと思われる。
先週発表された米経済指標が市場予想より弱かったことや、「カトリーナ」による甚大な被害などを受け、
米連邦準備理事会(FRB)が利上げをいったん停止するのではないかという観測が台頭している」と述べた。
FRBは2004年6月以来、連邦公開市場委員会(FOMC)で10回連続の利上げを決定しており、
現在のフェデラルファンド(FF)金利レートの誘導目標は3.5%となっている。
2日に発表された8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が16万9000人増加した。
これは、市場予想の19万人増加をやや下回った。
インドネシアルピアの対ドル相場は上昇して始まったものの、すぐに下落した。
ディーラーは、地元企業のドル需要が強いと指摘している。
ルピアは、1日終盤の水準から約1%安の1米ドル=1万0400ルピアで推移しているが、
8月30日に付けた4年ぶり安値の1万1750ルピアを上回る水準を保っている。
2日のインドネシア市場は休場だった。
あるジャカルタのトレーダーは、「企業のドル需要はあるが、
ドルが他のアジア通貨に対して軟調に推移しているため、逆方向に向かう可能性がある」と述べた。
別のディーラーは、先週のインドネシア中銀による大幅利上げが、
ルピアに対するセンチメントを短期的に押し上げたとみている。
インドネシア中銀は8月30日、指標となる1カ月物短期証券(BI)目標金利を
0.75%ポイント引き上げ9.5%とした。
ロイター
http://www.reuters.co.jp/financeNewsArticle.jhtml?type=forexNews&storyID=9557601§ion=investing