アジア通貨動向(30日)=下落、ルピアは4年ぶり安値付ける
2005年 08月 30日 火曜日 15:20 JST
[シンガポール 30日 ロイター] 30日午後のアジア通貨は下落。インドネシアルピアは、
午前の取引で5%下落して4年ぶり安値を付けた。
ただ、その後はインドネシア中銀が金利を引き上げるとの観測が強まり、戻している。
中銀は実際に午後の取引序盤で金利引き上げを発表した。
シンガポールドル、台湾ドル、タイバーツ、フィリピンペソ、インドルピーも、原油価格が1バレル=68ドルを
上回る水準で推移していることがアジア地域の経済成長見通しに影を落とすとの見方から、約0.5%下落。
ジャカルタの為替ディーラーによれば、朝方の取引でルピアが1米ドル=11750ルピアに下落し、
2001年4月以来の安値を付けた。29日の安値は10740ルピアだった。
その後10800ルピアまで値を戻したが、依然として1.2%安の水準。
市場関係者によると、インドネシア中銀は11500ルピアの水準で散発的に米ドル売り/ルピア買い介入を
実施したという。同中銀はその後、指標となる1カ月物短期証券(BI)の目標金利を
0.75%ポイント引き上げて9.5%にし、他の金利も引き上げると発表した。
インドネシアルピアは年初から14%下落。8月だけでも9%下落している。
原油価格が今年に入って60%上昇し、29日には1バレル=70米ドルまで上昇したことが、
インドネシアの国際収支を悪化させ、インフレ懸念を強めている。
インドネシアの国営石油会社プルタミナは、石油購入代金を政府の財源で賄う決定が
なされていたものの、実際には市場を通じてのドル買いを余儀なくされていた。
インドネシア中銀はこれまで、物価上昇を抑制するための金利引き上げには積極的でなく、
短期債の発行を通じた金融市場からの資金吸収でインフレを抑制しようとしてきた。
中銀はルピアへの投機的な動きを抑制しようとしてきたが、当局のインフレ圧力抑制への対策が
十分ではないとの懸念から、インドネシア債やインドネシア株の売りにつながっていた。
インドネシア株式市場<.JKSE>はこの日、ルピアに追随した動きを示し、一時、前営業日比4%安まで下げた後、
横ばいまで戻している。同市場の月初来の下落率は一時、約20%に達していた。
インドネシア政府は9月1日からピーク時間帯の電気料金を16%値上げすることを決定した。
またプルタミナは家庭用ガス料金を20%値上げする。
DBS銀行は、政府は燃料補助金を削減すべきと指摘、「補助金のさらなる削減継続が、燃料輸入の削減に
つながると考えている。またプルタミナの問題解決やルピアの安定にもつながるだろう」と述べた。
*0440GMT(日本時間午後1時40分)時点のアジア各国通貨の対米ドル相場は次の通り。
シンガポールドル 1.6827 台湾ドル 32.673
韓国ウォン 1031.20 タイバーツ 41.31
フィリピンペソ 56.17 インドネシアルピア 10800.00 ←
マレーシアリンギ 3.7680 人民元 8.0965
ロイター
http://www.reuters.co.jp/financeNewsArticle.jhtml?type=forexNews&storyID=9505174§ion=investing