犯人は保険金を狙った非情な父だった 一家4人焼け死事件
3人の息子と妻の一家4人が夜遅く父親と夫を待っていたところ、火事で死亡したことで知られた事件は、
保険金を狙った30代の家長が犯した無惨な殺人劇であることが明らかになり衝撃を与えている。
建てられて25年が経つ古い家、一度も大きな声を外にもらすことがなかったほど仲が良かった夫婦…。
だからこそ漏電による火事の可能性を調べていた警察だったが、事件の全貌が明るみに出ると、
人面獣心の犯行に驚愕を禁じ得なかった。
▲通話明細が手がかり
18日午後11時頃、大田市中区文化同(テジョンシ・チュング・ムンファドン)のクァク某氏(72・女性)の韓屋の一戸建て火事が発生し、
間借りで住んでいた金某氏(34・女性)と10歳、8歳、4歳の息子3人が死亡した。
遅れて帰宅したように装った金氏の夫チャン某氏(35)は、真っ黒に焼けてしまった部屋を見ては
「私一人だけ生き残って何の意味があるんだ」とショックの余り大号泣していた。
警察は一家心中や漏電による火事に重みを置いた。しかし21日、携帯電話の通話明細を調査した結果、
チャン氏が警察で話したことと違い、妻と通話をしていなかった事実をつかみ疑い始めた。
25日、国立科学捜査研究所は、金氏と息子の胃腸と服などからそれぞれ青酸カリとシンナー成分が検出されたことを知らせてきた。
警察は、チャン氏が事務室のコンピューターで自殺請負殺人及び青酸カリ関連サイトに80回も接続した形跡を突き止めた。
今月初め、外資系保険会社の2ヵ所に自分と妻名義の保険に加入しており、妻が亡くなる場合、
自分が6億ウォンの保険金を受け取るようにしている事実も確認した。
このような事実を突きつけて厳しく追及すると、チャン氏は犯行を白状し「申し訳ない。死にたい気持ちだ」という言葉を繰り返したという。
▲火事事件に偽装
警察の調べによると、チャン氏は18日午前8時10分頃に起きて、冷蔵庫で水差しを取り出して少し飲んだ後、
あらかじめ準備した青酸カリをそれに入れた。普段家族が起きるやいなや水を飲む習慣を利用したのだ。
10分後、金氏と長男と二番目の息子が冷蔵庫から水を取り出して飲んで倒れた。チャン氏は水を飲まない末っ子の首を締めた。
末っ子は息が詰まって来ると父親の頬を殴りながら抵抗したもが、すぐ息を止めた。
チャン氏は午前9時20分頃、大田市儒城区鳩岩洞(ユソング・クアムドン)にある会社に出勤していつものように働いた。
チャン氏はチェーン酒店に材料を供給する会社の配達員だった。
午後1時半頃、家に戻って家族の死亡を確認した後、午後にも勤務を続けた。そしてアリバイ(現場不在証明)を作るために
家に6、7回電話をかけた。
チャン氏は退勤後、午後7時半頃に帰宅して居間に積んでおいた洗濯物などにシンナーを振り撤いた後火をつけた。
それから500mほど離れたPCバン(インターネットカフェ)でコンピューターゲームをして、午後10時50分頃、
家にもう一度電話をかけては帰宅した。
▲犯行の動機
チャン氏は警察の調べに対して「相次ぐ事業失敗で全財産を使い果たしたし、借金が増えたので保険金を狙った」と供述した。
チャン氏は大田で実業系高校を出た後、京畿道城南市(キョンギド・ソンナムシ)に実習に出たが、
そこで金氏に知り合って結婚した。父親からお金をもらって携帯電話販売店とスーパーマーケットを運営したが失敗し、
4月に信用不良者になった。銀行の借金は3500万ウォン程度。
チャン氏は今月初め、保険に加入した。妻が月30万ウォンも払う保険にどうして加入するのかと聞くと、
チャン氏は「会社の本社で保険金を代納してくれる」と言いまわした。
大田中部警察は29日、チャン氏を殺人と遺体損壊などの疑いで拘束した。
一方、警察がチャン氏と一緒に自殺サイトで会って青酸カリ10gを100万ウォンで共同購入した他の3人を追跡した結果、
このうち朴某氏(25・女性)が釜山(ブサン)のあるモーテルで飲んで自殺したことが明らかになった。
東亜日報
http://japan.donga.com/srv/service.php3?bicode=040000&biid=2005083039728