鄭和船団の「子孫」、ケニアから留学 中国政府が調査、招待
◆600年前、明代に大航海 19歳女性、医師目指す
15世紀に中国からインド、中東へと向かった明代の武将・鄭和の大航海から600年の今年、
アフリカ東岸ケニア沿岸部の貧しい小島から19歳の女性が、中国政府の招待で南京大学に
留学する。女性の一家は、言い伝えで「船団の子孫」とされる。沖で難破した船の乗組員たち
がたどり着き、島の女性たちと結婚した、という。大航海にまつわる話題を探す中国政府が言
い伝えに注目。現地を調査の上、「信憑(しんぴょう)性は高い」と判断した。(パテ島〈ケニア
沿岸部〉=望月洋嗣)
●難破船の伝説
インド洋に面したケニア沿岸部に浮かぶ小島パテ島。ナイロビから飛行機で約2時間のラム島
から、定期船でさらに4時間かかるこの小島には、車が一台もない。約1万2千人の島民は、漁
業とココナツ栽培で細々と生計を立てている。
島のシユ地区に、鄭和の大航海に参加した中国人船員の子孫と伝えられるバラカ・バディシェさ
ん(56)一家が住んでいる。「遠い昔、難破してこの島にたどりついた中国人の船員が、我々の祖
先だと、子どものころから聞かされていた」とバディシェさんは言う。
肌の色が薄く、顔つきも特徴があるので、村人からも「中国人の子孫」と見られてきたという。
●遺跡も裏付け
同地区の長老ムウェニェオマールさん(72)も「子どものころ祖父から、難破した船からたくさんの
中国人船員がこの島に上陸したと聞いた」と話す。子孫と伝えられる人はバディシェ一家以外にも
多いが、イスラム教徒であるため「中国人の子孫であることは非イスラム的」と思いこみ、認めよう
としない人が多いのだという。
(中略)
中国は今年、鄭和の大航海600周年を祝うため、本国や東南アジア、アフリカの船団の寄港先な
どで記念式典を催している。
●繰り返し島に
在ナイロビの中国大使館員らは02年から繰り返し、パテ島の調査に訪れた。バディシェさんら関係
者に聞き取り調査し、島を回って言い伝えを検証した。同大使館の広報官は「確証は得られていな
いが、顔の特徴や、島の人々が語り継ぐ言い伝えから、バディシェさんらが子孫と判断した」と説明
する。
バディシェさんの娘のムワマカさん(19)は7月、中国政府の招きで上海に隣接する太倉市などを訪
問した。鄭和が大航海を始めたこの地で記念式典に出席。医者になるという彼女の夢をかなえるため、
中国政府は南京大学に進学するための奨学金を特別に出すことも決めた。
家が貧しく、進学をあきらめていたムワマカさんは「600年前の勇気ある中国人のおかげで、夢がかな
い、私の人生は変わった。将来は、1人の医師もいないパテ島に戻って、人々を助けたい」と話した。9
月、中国へ旅立つ予定だ。
(後略)
ソース:朝日新聞
http://www.asahi.com/paper/international.html 関連スレ
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