華為技術 英・通信機器メーカー買収へ 欧州進出へ足がかり
携帯電話など中国の通信機器大手の華為技術が、英国の通信機器メーカー、マルコーニの
買収に乗り出していることが明らかになった。マルコーニは世界の大手十社に入る通信機器
メーカーで、英国を中心に欧州で堅実な販売実績を占めている。華為技術はマルコーニ買収
で欧州への本格進出の足がかりを得たいところだ。
英紙「サンデー・タイムズ」が七日伝えたところによると、華為技術の任正非・総裁はすでに、
マルコーニのマイク・パートン最高経営責任者(CEO)ら首脳部に対して、買収の意向を伝え
ており、買収額として六億ポンド(約千二百億円)を提示した。
華為技術は買収交渉の代理人として、米金融大手のモルガン・スタンレーを指名しており、近
く本格的な交渉が開始される見通しだ。
現段階で、華為技術、マルコーニ両社ともコメントを拒否している。
◆悪化する業績
マルコーニは、さきごろブリティッシュ・テレコム(BT)の「二十一世紀通信網整備計画」におけ
る総額千四百億ドル(十五兆六千八百億円)に上る通信設備受注を逃して業績が悪化してお
り、二〇〇一年に比べて、英国内の通信機器のシェアをほぼ半分に減らしている。このため、
パートンCEOはこのほど、八百人の従業員カットを行うことを発表していた。
その一方で、華為技術はBTと業務提携しており、中国の通信設備最大手の中興通訊(ZTE)
とともに、BTからの通信機器受注額の上位二位を占めるなど、マルコーニの業績を圧迫して
いた。
このようななかで、華為技術は今年一月、マルコーニとの間で、戦略的協力関係を締結する
など、関係を深めていた。
このため、業界関係者は「マルコーニはフランス、オランダ、ベルギー、オーストリアなどの
通信会社に製品を供給しており、マルコーニ買収によって、華為技術の欧州進出は大きく
進展する。この買収によって、華為技術が受ける利益は莫大(ばくだい)なものになる」と指
摘している。
(中略)
◇
華為技術 1988年、広東省深セン市で誕生。創業資金はわずか2000ドル(約22万400
0円)で、当初は簡単なラジオ部品などを製造していたが、徐々にハイテク製品に移った。い
まの事業の中核は光ファイバー、移動体通信、ブロードバンド、デジタルネットワークの3部
門。ここ数年、世界進出を加速させており、香港、モンゴル、パキスタン、ブラジルでの事業
を強化するなど、世界8本部体制で、550カ所の支社・技術サービスセンターを擁する。今年
上期(1−6月)の売上高は330億元(約4620億円)で、そのうち海外での売上高は全体の
ほぼ60%を占める24億7000万ドル(2767億円)。従業員総数は約3万人。
ソース:FujiSankei Business i.
http://www.business-i.jp/news/china-page/news/200508090005a.nwc