http://online.wsj.com/article/0,,SB112165176626988025,00.html?mod=opinion%5Fmain%5Fcommentaries General Zhu Goes Ballistic
By DANNY GITTINGS July 18, 2005; Page A13
WSJ(米国版、寄稿):朱成虎少将の爆撃 By DANNY GITTINGS(WSJ・アジア)
人民解放軍の朱成虎少将が、アメリカの台湾海峡有事への「干渉」があれば中国は核攻撃を辞さ
ないと述べたのだが、これは最悪のタイミングでの発言というべきで、アメリカ国内での「中国
脅威論」が高まりつるある時に際している。彼の発言は、皮肉なことに外国人特派員を集めた中
国のイメージ向上の為の説明会の中でなされた。
アメリカ国内では中国の軍事力増強に関心が寄せられており、朱成虎少将の発言はブッシュ政権
に中国に対するタフな政策を要求するような圧力になり得るわけで、それはUnocal買収から元切
り上げまで、あらゆる問題に波及しかねない。
朱成虎少将の発言は大きな問題を含む可能性があるのだが、私を含めて木曜日の外国人特派員へ
の説明会に参加して彼の話を聞いた人は、これが事故の様な突発的なものではないことは明らか
である。
彼の話は私が、台湾海峡での通常戦力の衝突の場合の中国の反応について聞いたことから発生し
た。「アメリカと中国のバランス・オブ・パワーから見て、中国は通常戦力でアメリカに対抗で
きない」とこの人民解放軍の強硬派の少将は私に説明した。「もしアメリカが干渉するのであれ
ば、つまりアメリカが中国の領域にミサイルや精密爆弾の攻撃をするならば、私の考えでは中国
は核で反撃するだろう」
この答えに驚かされて、私は中国が「百とか、二百のアメリカの都市」への核攻撃の条件を説明
してくれるようにと述べた。それはアメリカが中国本土を核攻撃するという、ありえない前提で
のシナリオではないのか? 否、と少将は答えた。中国の艦船や航空機への通常戦力の攻撃でも
核攻撃は正当化し得る、という。そうした事態(航空機、艦船への攻撃)は、台湾海峡有事には大
変有りそうな話であるが。
別の特派員が少将に尋ねた。中国は先に核攻撃を行わないという政策を明言しているではないか?
すかす少将はこれを一蹴し、政策は変化するものだ、とのべた。それに、その政策は非核武装国
についてのものである。最後に少将は、彼の発言が個人的なものであると断り、戦争はおきない
と思うと述べた。
この発言について国務省のスポークスマンは「大変無責任なもの」と述べ、下院議員の一人は既
に対中政策の見直しをいっている。ペンタゴンは今週にも中国の軍事力増大の報告書を出すのだ
が対中強硬論が高まりそうである。
人民解放軍は、台湾を獲得するためには「西安より東の都市を犠牲にしても」はばからないわけ
なので、アメリカの中国脅威論は気にしないのかもすれない。ましてやUnocalの買収の成否など
は気にしないのだろう。