人民元切り上げや通商問題で中国に強硬姿勢を取るよう、米議会がブッシュ政権に対する圧力を強めている。
対中制裁法案を提案しているシューマー上院議員(民主党)は八日、米シンクタンクの外交評議会で講演し、
ブッシュ大統領が直ちに政権幹部や議会指導部によるサミットを開いて具体的な対中政策を決めるよう要請した。
シューマー議員は「米国の通商政策担当者にとって、
このサミットは中国に対する次の一手を協議するための重要な機会になる」と強調。
中国政府に対しても「制裁法案を可決させたくないなら、柔軟な為替制度への移行の予定表を示すべきだ」と訴えた。
同議員は、グラハム上院議員(共和党)らとともに中国に人民元切り上げを求め、
従わなければ米国に輸入される中国製品に一律27・5%の関税を課す対中報復法案を提出している。
この法案に対しては上院の多数が賛成しており、同議員らは中国が人民元改革に動かない場合、
七月末の夏季休会に入る前に採決する方針を示している。対中強硬策をめぐっては、
下院歳入委員会のトーマス委員長が七日、米商工会議所での講演で
「中米諸国との中米自由貿易協定(CAFTA)が中国との通商問題の身代わりになっている。
議会がCAFTAを承認するには、まず人民元の切り上げを実現させなければならない。
中国に対する圧力が必要だ」と主張。
シューマー議員の八日のサミット提案はトーマス委員長の主張に呼応する形で行われた。
米上院財政委員会では今月二十三日、対中政策に関する公聴会が予定されている。
公聴会には政権幹部のほか、米商工会議所や全米製造業者協会幹部らの出席を求める予定で、
対中強硬策でブッシュ政権への圧力を一段と強める方針だ。
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