http://www.jca.apc.org/ncc-j/statements/2005/st35-050129NHk.html (2) 日本軍性奴隷制と天皇の責任 (キリストプロテスタント)
今回改めて問われた番組の改変は、2000年12月の『女性国際戦犯法廷』の二つの主要な成果を隠蔽するためになされました。
一つは‘従軍慰安婦’と呼ばれてきた日本軍性奴隷の制度を人道に反する罪として明らかにしたこと、
もう一つはこの国家的犯罪について天皇と司令官たちを有罪と宣告したことであって、
これらの事実を国民の目から隠すためにいくつもの大きな変更と削除がなされました。
このような隠ぺい工作は、民衆法廷で苦痛に満ちた証言を行なった元‘慰安婦’の方々をまたもや辱めることであり、
人類普遍の道義と国際的法秩序に悖る行為です。私たちは人間としてこれに怒りと恥ずかしさを覚えないではいられません。
改変を引き起こした政治家たちとNHK上層部は、この女性たちに心から謝罪すべきです。
私たちは、苦難を負わされた方たちが人間として尊厳を認められ、名誉を回復すること、
またこの国が罪を悔い改めて道義に立ち帰り、平和の国になることを切望してきたので、民衆法廷とその成果を心から支持してきました。
近年この国では、悔い改めどころか、歴史の検証を権力によって封印し、自国史を美化して他国を非難する動きが強まるばかりです。
しかし他面、女性たちの国際連帯による民衆法廷や、今回の朝日新聞の報道および長井チーフプロデューサーの行動は、
このような動向に対抗する良心を示し、さらに多くの人々を勇気づけています。
私たちもまた各々の場で真理に従い、然りを然りとし、否を否とする自由を実践していきます。
「つくる会」の教科書検定合格に抗議し採択させない運動を広めていきましょう!
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2001年4月11日
VAWW-NETジャパン 代表松井やより
□日本政府の検定責任は免れない
日本政府は1993年の内閣官房長官談話で、
「慰安婦」制度への軍の関与と強制性を認めましたが、今回の検定で「慰安婦」を記述しない教科書に対して、文部科学省は検定意見もつけず、
政府見解さえ無視しているのです。「教科書の歴史認識や歴史観が政府の考え方と一致するものと解されるべきものではない」という官房長官談話は、
日本政府の無責任を露呈するものです。それは日本政府の意図的なアジア無視、蔑視の姿勢を表しています。
□「女性国際戦犯法廷」が有罪判決を出した天皇を美化
さらに今年の国連人権委員会に提出されたクマラスワミ報告書でも評価された「女性国際戦犯法廷」(2000年12月)は証拠と国際法に基づいて「
昭和天皇裕仁有罪」の判決を下しましたが、「つくる会」の教科書は天皇の戦争責任を免責にし、
「国民とともに歩まれた生涯」などとコラムで美化しているのです。
http://www.h2.dion.ne.jp/~kyokasho/