【NHK慰安婦番組】元番組担当者が証言 NHK問題で集会−札幌[04/18]

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399<丶`∀´>(´・ω・`)(`ハ´  )さん
正論10月号
http://www.sankei.co.jp/pr/seiron/koukoku/seiron.html

朝日新聞・NHK大ゲンカでわかった注目すべき点 第三弾
取材協力者を裏切った朝日記者の無礼(1)

本誌編集長 大島信三

サンゴ事件以上の重大問題

 産経新聞(八月十八日付朝刊)によると、就任して間もない朝日新聞の秋山耿太郎社長は共同通信のインタビューで
NHK問題を早く決着したい意向を表明したという。おそらく箱島信一前社長時代からのモタモタした対応にずっと苛立ちを
感じていたのだろう。ことの本質がサンゴ事件以上なのを見抜いて、相当の憂慮をいだいて事態の推移を見守っているのではあるまいか。

 実際、朝日新聞にとって、NHK問題はサンゴ事件以上のダメージを秘めている。朝日記者がサンゴを傷つけて写真を撮り、
いかにも不心得者がいたずらをしたように報じた行為は決して許されるものではない。メディア汚染史に永久に刻まれる事件で
あるのはまちがいない。今回は生身の人間が傷つけられた。サンゴも大切にしなければならないが、
人間はもっと丁重に扱わなければならない。NHK問題がサンゴ事件以上に重いゆえんである。

 朝日の屋台骨を揺り動かす記事は一月十二日付朝刊に掲載された。慰安婦問題などを扱った番組のチーフ・プロデューサー、
長井暁氏が自民党の安倍晋三、中川昭一両議員の圧力で内容が改変されたと内部告発したのがきっかけとなった。
安倍、中川両氏の否定にもかかわらず、この記事が一面を飾ったのは松尾武NHK元放送総局長の“匿名発言”がよりどころとなったからだ。

 しかしながら名乗りでた松尾氏は記事の発言を否定した。裏切られたという思いであろう。誠意ある態度で取材し、約束を守り、
相手の真意をつかみとって記事にすれば、こんなことは起こらなかったはずだ。もっとも、そうなると記事を書けたかどうかわからないが、
いずれにしても松尾氏は朝日記者を信用していたのだ。

 本田正和、高田誠の両記者は一月九日(日曜)、松尾氏の自宅で二時間に及ぶ取材をおこなったという。
NHKの海老沢勝二会長が任期途中の辞意を明らかにし、次期会長が話題になっていた頃だ。朝日(一月八日付)の社説は
「新会長選びが大事だ」と題して、「不祥事とその対応への役員らの責任を考えれば、内部昇格ではなく、
OBを含めて外に人材を探すしかあるまい」と書いている。

 この微妙な時期にNHKの傍流とはいえ日本放送出版協会社長の要職にあり、元放送総局長としてのキャリアから
会長候補の一人となりえたかもしれない松尾氏がなぜ朝日の取材に応じたのか。どういう思惑があったのか。
取材要請があまりにもしつこかったのか。これは知りたい事実の一つである。

 松尾氏は休日にもかかわらず、自宅に記者ふたりを招きいれた。「取材協力者」と表現してもよい応対ぶりだ。堂々と肩書、
氏名を名乗ることを認めたうえでの公的な場での取材ではない。私的な空間で、「匿名の情報源」とでもいうべき立場の個人的な
取材という意識が松尾氏にあったのではないか。取材要請を受けてから松尾氏は受けるべきか、断るべきか、かなり逡巡したと思う。
それでも応じたのは、ウソは書くまいという一流紙記者への信頼であろう。

 一流紙であろうと、三流紙であろうと、記者には取材協力の相手を守る義務がある。ジャーナリズムは「匿名の情報源」をどう扱うべきか。
先ごろはニューヨーク・タイムズの記者が情報の出所を拒んで収監される事件があった。「情報源は必ず守る」と、
どのメディアも建前上は公言している。組織に害が及べば、「かれは個人ではない。責任ある公人だ」と言い逃れて
情報提供者をポイ捨てにするというのでは、あまりにも節操がない。そんなことを繰り返していると、メディアはだれからも信用されなくなる。
そういう意味でも今回はいろいろと教訓になるはずだ。

『朝日総研リポート』八月号に小谷野実氏(朝日新聞総合研究本部主任研究員)の「匿名情報源をどう扱うか 
厳格化に動く米国、切実さ欠ける日本」と題した論文が掲載されている。今回はケースがちがうにしても、
この問題は真剣に検討すべき点が多く、参考になった。ちなみに同号には『論座』前編集長の上丸洋一氏(同主任研究員)が、
「『諸君!』『正論』研究1 『靖国』をどう論じてきたか 上」を執筆している。本誌がリポートの研究テーマになったのは光栄である。

(続)