(前段略)
◇乱訴阻止へ修正案 国籍条項、調整も−−与党人権問題懇話会・古賀誠座長
(中略)
−−特に国籍条項についての隔たりは大きい。妥協点は見いだせるか。
◆社会がこれだけグローバル化した中で、日本が国際社会で生き残るためには、
外国人が人権擁護委員になれる現在の法案のままでいいというのが私の本心だ。
ただし、北朝鮮の関連では、人権擁護委員に朝鮮総連のメンバーが選任されることが
絶対ないかと言われると難しい面がある。謙虚に受け止め、納得してもらえるように
したい。そのあたりは自公で擦り合わせ、最終的には党執行部の調整が必要になる
かもしれない。
−−外国人に人権擁護委員の選任資格を認めると、定住外国人の地方参政権問題に
影響を及ぼすという意見もあるが。
◆それは考えすぎだと思う。
−−人権侵害の定義についてはどうか。
◆定義があいまいと言われるが、憲法でも基本的人権という言葉を使っている。それが
あいまいであると言うのであれば、その定義は神様、仏様でないと分からないとしか言い
ようがない。その議論で止まってしまえば、先に進まなくなってしまう。法務省が定義づけた
ような規定しか、あり得ないのではないか。
(中略)
◇「侵害」拡大解釈も 言論の自由制約−−真の人権擁護を考える懇談会・平沼赳夫会長
(中略)
−−特に念頭に置いている問題は。
◆具体的には、北朝鮮による日本人拉致問題の解決に制約が出ると考えている。
朝鮮総連の活動のあり方を問題視し、批判せざるを得ないことがあるが、法案が通れば、
政治家の信念としての発言が「人権侵害だ」などとされる可能性が否定できない。安倍
晋三君(自民党幹事長代理)がNHKに「公正、中立に放送してほしい」と言ったが、あの
程度で「報道の自由を侵した」などと言われてしまったケースに通じる。
−−人権擁護委員(注2)の資格に国籍条項がないことも問題にしている。具体的に
どういう弊害があるのか。
◆人権擁護委員を今の1万4000人から2万人に増やすというが、現実には普通の人は
大抵は忙しいので、委員の引き受け手は少ない。そういう状況の中で、特定の国の出身者が
特別な目的を持って集団的に委員に就任した場合、国益に反する事態が起こり得るのでは
ないか。法務省は、委員の仕事は啓発、相談だけだと言っているが、それは建前だ。人権
救済に当たる人権委員会(注3)に人権擁護委員が「これは人権侵害だ」と一斉に申し出たら
どうなるのか。定住外国人の地方参政権の問題と同様、国の基本権がかかわることに累を
及ぼしてはならない。国籍条項は必要だ。
(略)
http://www.mainichi-msn.co.jp/seiji/gyousei/archive/news/2005/04/12/20050412ddm012010144000c.html