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九日の北京。デモ行進に途中から加わり、周囲の若者たちと会話を交わした。
大学二年生という女性は「日本はなぜ侵略の歴史を反省せず、中国に謝罪も
賠償もしないのか」と言い、同級生という男性は「わが国の領土である釣魚島
(尖閣諸島)を奪おうとするのは許せない」と言った。
その他の若者を含め、「日本人は卑劣で狡猾(こうかつ)」「右翼の軍国主義者
が政治を握る危険な国」というイメージを持ち、「国連安保理常任理事国になる
資格はない」という。しかし基礎的な知識を欠き、現在の常任理事国を答えられた
のは五人中一人だけだった。まして日本の国連分担金比率の高さや対中ODAを
含めた国際支援活動への寄与を知る人はいないし、日本は核武装をしていると
思っている人さえいた。日本の歴史問題への対応についても同じだった。
今年二月、在中国日本大使館が「日中関係重要文献集」というパンフレットを
作製した。一九七二年の国交正常化以来の共同文書や日本の首相の発言に
年表を付けたもので、中国国民向けの広報が目的だったが、中国政府機関からも
要求があり、当初の五千部で足りず、計二万部を発行した。
これを読んだ若者たちはそろって、日本が共同声明以来、繰り返し過去の
歴史に「反省」を表明してきたことを知り、驚くと大使館関係者は言う。共同声明で
中国側が賠償請求権を放棄したことも、一般国民は知らないか、忘れている。
評論家の劉暁波氏によると、現代中国の若者たちは、共産党の支持者は
極めて少ない半面、共産党に逆らうこともないという。激しい受験競争の中で、
若者たちは与えられた知識を丸暗記することに慣れ、党の情報管理はたやすく
なった。
中国にとって、対日歴史問題は、抗日戦での勝利をもって独裁政権の合法性を
主張する根拠になっていて、被害を強調すればするほど根拠は強まる関係にある。
日本軍による中国人死傷者数が二千万人から江沢民前政権下で三千五百万人に
膨らんだのは一例だ。
こうした共産党の宣伝教育は若者たちに疑問なく受け入れられている。この点は
八〇年代の社会の激変期に、民主化を求め、党の腐敗を批判する行動を繰り返し、
天安門事件で散った若者との大きな違いだ。
今回の一連のデモは、政府の日本批判の立場をバックアップする性格を持つが
ゆえに、警察の介入を恐れることはなく、気軽に参加した人も多かった。中には
担任教師から言われ参加した高校生もいた。
若者の間では、日本のアニメやポップスは圧倒的な人気がある。浜崎あゆみや
GLAYのコンサートに殺到した若者に比べれば、反日デモの参加者ははるかに
少ないが、ある大学教師によると、デモを機に日本人を見る学生の目が変わったそうだ。
引用元:産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/morning/12iti002.htm 関連スレ
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