野生動物を保護するワシントン条約で商取引が規制されている象牙製品が、
アフリカ・スーダンの首都ハルツームなどで、数多く取引されていることが明らかになった。
国際動物保護団体の後押しを受けた調査グループは、密猟にスーダン軍が加担しているとして、
スーダン政府を非難すると共に、象牙製品購入者が多い中国に対し規制強化を要求している。
動物保護団体ケア・フォー・ザ・ワイルド・インターナショナル(CFTWI)によると、
象牙の多くはスーダン南部やコンゴ民主共和国(旧ザイール)、中央アフリカで密猟され、
ハルツームやオムドゥルマンといった都市に持ち込まれて、製品に加工されているという。
今年初めに実施した調査では、ハルツームの土産店など50店舗で、
約1万1000点の象牙製品が販売されていた。多くはペンダントや指輪、イヤリング、ブレスレットの装飾品で、
動物や人間をかたどった置物も多く見られた。また、購入者に中国人が増えてきたことを受け、
食事に使うはしや、印鑑が多く売られるようになっているという。スーダンには現在、
炭坑や油田、建設現場で働く中国人が約3000─5000人ほど滞在しており、本国への土産として、
大量の象牙製品を買い求めているという。
調査では、象牙加工に携わる職人や取引業者に対する聞き取り調査も実施。象の密猟に軍の銃火器が用いられ、
象牙の輸送に政府車両が使われていることから、スーダン軍が深く関わっていることが明白だとしている。
http://cnn.co.jp/science/CNN200503150014.html