スマトラ沖地震と津波の最大の被災地インドネシア・ナングロアチェ州で、
停戦状態にあったゲリラ組織「自由アチェ運動」(GAM)と政府軍との間で最近、
小規模な衝突が起きるなど、緊張が高まっている。
被災支援にあたる国連が活動の一部を一時的に停止するなど、
復興活動にも影を落とし始めている。国連は11、12の両日、
州都バンダアチェから州西岸のチャランに向かうヘリコプターの定期運航を休止した。
関係者によると、チャランで活動する援助関係者をGAMが襲撃するとの情報が、
インドネシア国軍を通じて寄せられたためだという。
チャランの周辺はいまも道路や橋が寸断され、陸の孤島状態が続いており、
各国軍の撤退が相次ぐ中、国連機は援助物資や人員を運ぶ重要な手段となっている。
今回の運航休止で、現地で活動を予定していた国連や日本を含む各国のNGO関係者が足止めを食った。
国連がヘリの運航を休止したのは、先月下旬に続いて2回目。
このときも、チャランの近郊で、双方が衝突する事件が起きた。
一方、バンダアチェ近郊では11日午前4時ごろ、GAMが警戒中の警察部隊を襲撃する事件が起きた。
けが人の有無など詳細は明らかにされていないが、
国連関係者は「治安がこれ以上悪化すれば、現場で活動できなくなってしまう」と懸念する。
http://www.asahi.com/international/update/0313/004.html