北海道から沖縄の41の酒造会社・団体が、中国の和食ブームを背景に現地進出を目指している。
日本では和食離れやワインブームで毎年消費量を減らしている日本酒だが、
経済発展に伴って巨大消費市場に成長してきた中国が「斜陽・清酒業界」の救世主になるかもしれない。
中国で日本酒や焼酎の販売を計画しているのは、「天狗舞」で知られる石川県の車多酒造や北海道の日本清酒、
秋田県の秋田誉酒造など酒造会社39社と、長崎県壱岐と沖縄県那覇市の酒造協同組合の2団体。
各社は、上海で自社銘柄の日本酒や焼酎を売り込むため、地元の大手百貨店「久光百貨店」地下1階食品売り場で、
日本酒43銘柄、焼酎(泡盛を含む)16銘柄を持ち込み、試飲会を3月6日まで開催している。
反応は上々で、各社とも試飲会をきっかけに、上海の食品卸や小売業との商談に結び付け、
自社の日本酒と焼酎の銘柄品を取り扱ってもらえるよう、販路開拓に懸命。一部では具体的な商談が進んでいる。
中国初の日本酒・焼酎の試飲会を企画した日本貿易振興機構(ジェトロ、東京都港区)によると、
日本から中国への清酒輸出量は、2000年から03年までの3年間で2・6倍に増えているが、
数量的には年間314キロリットルでしかない。しかし、上海や北京など主要都市に駐在する日本人が増え、
日本料理店での日本酒・焼酎の消費量が伸びている。中国人の間でも、すしや天ぷらなど和食がブームになっており、
ジェトロも各社の商談の行方に期待を寄せている。
http://www.business-i.jp/news/sou-page/news/art-20050302221446-ICZHCPOTBL.nwc