■三・一節の「独立功労者」
共産主義者 呂氏に大統領章
「何のため」保守派反発
【ソウル=久保田るり子】韓国の盧武鉉政権が、今年の「三・一節」(独立運動記念日)に
過去の政権が対象から除外してきた社会主義系の運動家五十四人を「独立功労者」
として褒章を授与することを決め、論議を呼んでいる。
特に建国勲章の「大統領章」に決まった呂運亨氏(一八八六−一九四七年)は共産
主義者として知られ、北朝鮮の故金日成主席とも交流のあった人物で、実娘の呂元求氏
(77)は現職の北朝鮮最高人民会議副議長だ。保守陣営は「何のための褒章か」と反発している。
盧武鉉大統領は、「過去史の清算」を大きな政治的テーマとしている。朴正煕政権下で
情報機関が関与した金大中事件や大韓航空機爆破事件などの再調査を決め、さか
のぼっては日本統治時代の対日協力者(親日派)調査法案を成立させた。
また、日本統治時代の左翼独立運動家の再評価も進めようとしている。彼らは独立運動
後、北朝鮮政権樹立に加わったり、韓国政府転覆運動に参加したため、過去の政権では
全く評価の対象にならなかった。だが、盧大統領は「左右対立から彼らが闇に葬られている
のはおかしい」として、今回、表彰を決めた。
呂運亨氏は、韓国の独立運動家の中でも著名な人物。三・一独立運動後に上海での
大韓民国臨時政府樹立に参加、終戦後は米軍進駐の前に「朝鮮建国準備委員会」を
結成し委員長に就任したことで、一般的には「愛国主義者」と人気が高い。
また、米国の進歩的な歴史学者ブルース・カミングスが呂氏を「建国混乱期に左派と
右派をまとめようと奔走した」と評価したことから、韓国の民主化勢力に信奉者が多い。
だが、韓国の歴史学者の間では、呂氏は韓国で初めてカール・マルクスの「共産党宣言」を
翻訳した共産主義者と規定され、解放後に左派と右派を往来したのは「機会主義」と評される。
秘密裏に訪朝し、指令を受けて実娘を金日成氏に預けたともいわれる。
褒章で呂氏の遺族には今後、毎月百三十万ウォン(約十三万円)の年金が支給される。
本来なら娘が受け取るのだが、韓国にも実弟の子供ら遺族がおり、褒章を担当する韓国の
国家報勲処は「勲章を南北の遺族のどちらに渡すか検討中」などという、なんとも奇妙な
事態になっている。
今回の褒章は抗日運動家百六十五人に授与されるが、左翼系運動家は呂氏をはじめ
五十四人が含まれ、保守団体は最近、「社会主義者の呂氏らを建国の功労者とするのは
憲法違反」と取り消しを求める声明を出した。
著名なある歴史学者は「呂運亨氏が独立運動を行ったことは確かだが、その評価を国家が
行うのは時期尚早。呂氏が褒章されるなら故金日成氏も同様に褒章の対象になるという議論
になる」と、褒章の“政治性”に憂慮を表明している。
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三・一節 日本統治時代の1919年3月1日に起きた反日独立運動を記念する祝日。
ソウルの公園で学生が「独立宣言書」を朗読したのが引き金となり、反日デモが全土に
広がった。この日は毎年、各地で記念行事が開かれ、メディアは特集を組んで反日ムードが
高まる。昨年の記念式典では、盧武鉉大統領が靖国参拝など歴史認識問題で対日批判を行った。
http://www.sankei.co.jp/databox/n_korea/nkorea_48_1.htm 関連スレ
【韓国】呂運亨氏ら左派独立運動家に叙勲 [02/22]
http://news18.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1109040761/