先月の日朝実務者協議で、北朝鮮側が説明した
拉致被害者の増元るみ子さん(行方不明時24歳)と市川修一さん(同23歳)の結婚したとされる日付が、
蓮池薫さん(47)の妻祐木子さん(48)の政府への証言内容と矛盾していることが分かった。
「結婚日」とされる79年7月は、祐木子さんが増元さんと招待所で同居していた時期と記憶しているためだ。
今回の協議での北朝鮮側の説明で、事実と異なる可能性がある点が明らかになるのは初めて。
78年8月に拉致された増元さんと市川さんについて、北朝鮮側は02年秋に訪朝した政府調査団に対し、
2人が「79年4月20日に結婚した」と説明した。
先月9日から14日まで平壌で開かれた第3回日朝実務者協議では、
「以前4月20日と伝えたのは、事務的な誤記だった」として、「79年7月20日」に訂正している。
一方、祐木子さんはこれまで、78年から79年にかけて増元さんと招待所で一緒に暮らし、
78年には増元さんの誕生日(11月1日)をともに祝ったことなどを記者会見で明らかにしている。
祐木子さんは政府に対して、増元さんとの同居時期を具体的に話しており、
少なくとも79年7月20日時点は、市川さんと結婚していなかったという。
今回の協議での北朝鮮側の説明や「物証」の多くは、
日本側が過去に追及した不審点や疑問点などへの「回答」だが、2人の結婚の日付に関しては、
日本側はこれまで言及しておらず、北朝鮮側から提示してきたという。
増元さんの弟で家族会の事務局次長の増元照明さん(49)は
「北朝鮮が当初説明した79年4月では祐木子さん同居期間と重なると考え、
3カ月あとにずらしてきたと推測される。訂正後も事実と違っており、
北朝鮮がどれだけ真剣に調査をしているか疑問だ」と話している。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20041204-00000048-mai-soci