【中国】四川省漢源の騒乱は収束へ、しかし民衆の怒りくすぶる[11/09]

560御家人 ◆k/IqiRD5ls
【暴動】
広東省で暴動発生です。新しい暴動来ました。

香港の『太陽報』と『蘋果日報』がそれぞれ報じていますが、内容がちょっと違っていま
す。それだけ現地では様々な噂が流れており、また取材もままならない混乱が続いている
のかも知れません。何とかまとめようと思ったのですが、訳してしまった方が手っ取り早
いので両紙の報道を以下に並べて起きます。

まずは『太陽報』から。
561御家人 ◆k/IqiRD5ls :04/12/26 10:05:56 ID:tMkkh7Ri
■太陽報(2004/12/26)バージョン

湖南出身者のグループが東莞の派出所を襲撃
――バイク泥棒の少年撲殺で民衆が二派に分かれ一触即発
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【本紙東莞電】広東省東莞市で今月二十三日、治安員(公安局管轄下の編制外の警官)が
オートバイを盗もうとした湖南省籍の少年を拘束して殴打し、少年を死に至らしめたこと
を発端に警察と民衆が衝突する事件が発生した。死者の家族や同郷者数十名が治安員を殴
打するとともに警察車両を破壊、このため当局は実弾装備の防暴警察(機動隊)を事件の
起きた村へと緊急出動させ、催涙弾を放つなどして暴徒を追い払った。

事件は昨日(二十五日)夜になっても終息せず、多数の逮捕者を出している。

●警察は催涙弾を発射

事件が起きたのは今月二十三日の午後、湖南省籍の少年(十六歳)が東莞市大朗鎮求富路
村でオートバイを盗もうとしていたところを見つかり、地元の農民や治安員の袋叩きにあっ
て死亡した。少年の父親は昨日正午ごろ友人や同郷者など数十名を引き連れて棍棒などを
手に求富路村へと赴き、治安弁公室にいた治安員を殴打。この治安員はその場で撲殺され
たとの噂もある。これに対し、現場一帯を管轄する公安(警察)派出所(警察署)は報告
に接して多数の警官を出動させた。警察車両で現場に入った警官隊は騒ぎを鎮静させるた
めに威嚇発砲した。

しかし「湖南組」はそれで大人しくはならず、逆に警官へと殴りかかり、また警察車両を
破壊するなどの繁劇に転じたため現場は大混乱。そこに「湖南組」に奇襲された求富路村
の村民が包丁や棍棒を手に現場へと駆け付け、「湖南組」とにらみ合う事態となった。出
身地を別とするグループ同士がそれぞれ武器を手に衝突に及ぼうかという一触即発の状況
に、警官は軽挙妄動を避けて上司に連絡、増援を求めた。

当局は直ちに実弾装備の防暴警察数十名を緊急出動させ、事件現場の村を封鎖。続いて催
涙弾を放って屯集していた両派の群衆を追い散らした。この際に多数の逮捕者が出た模様
だ。

警官隊による求富路村の封鎖は昨日深夜に及んでも未だ解除されていない。本紙記者の取
材に対し、警察当局は事件については一貫してノーコメントで通している。

http://the-sun.com.hk/channels/news/20041226/20041226014352_0001.html
562御家人 ◆k/IqiRD5ls :04/12/26 10:06:20 ID:tMkkh7Ri
■蘋果日報(2004/12/26)バージョン

警察車両炎上、死傷者百名――東莞市で1万人規模の暴乱、警察が発砲
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広東省東莞市で昨日(二十五日)、大騒乱が勃発した。事件の発端はありふれた盗難事件
にすぎなかったが、事態はエスカレート、最後には一万人を超える村民と民工(出稼ぎ労
働者)による暴動にまで発展。当局は東莞市から防暴警察(機動隊)及び特警(詳細不明)
数百名を緊急出動させた。現場に到着した警官隊は催涙弾を放って群衆を解散させたが、
この騒ぎで少なくとも数名の村民が死亡、百人近くが負傷した。一方、警察車両もひっく
り返されたり焼き打ちにあうなどして数台の損害を出している。

そもそもの発端は湖南省籍の少年(十五歳)が一昨日(二十四日)、大朗鎮求富路村で村
民のオートバイを盗もうとしたところを同村の治安員にその場で逮捕され、撲殺されたこ
と。昨日(二十五日)の午後二時ごろ、少年の家族や同郷者など数十名が同村に赴き賠償
を求めたところ、同村の治安員と激しい衝突となり、治安員は現場への増援を要請した。
ところがこのとき、軍用トラック一台に乗った武警(武装警察=軍と警察に両属する準正
規軍)の制服に身を包んだ二十名が現場に到着、これは遺族側への援軍で衝突に加わり、
治安員十数名が殴打されるなどして負傷した。

●飛び交う流言 ドサクサに略奪される商店も

これに対し、治安員から増援要請を受けた派出所(警察署)が警官多数を現場に出して事
態を把握しようとしたものの、やはり殴られて負傷者を出す始末。このころから流言が一
帯に飛び交い、公安(警察)と武警が利益を巡って戦闘に入ったと通行人に話して回る者
がいたかと思えば、誰彼構わずに暴力を振るい、商店があれば略奪を行う一団が大朗鎮に
現れたとの噂も流れた。またこれは村民が汚職役人を摘発するために集団で陳情行動に出
たものだと言う者もあり、とにかく三十分と経たぬうちに、大朗鎮中心部の店という店は
全てシャッターを下ろしていた。農民はそれぞれ出歩いては情報を交換するなどしたが、
実際に混乱に乗じて略奪を行った不法分子もいた模様だ。

大朗鎮政府は上級部門である東莞市政府に事態鎮静化に向けた救援を乞い、これを受けて
完全装備の防暴警察及び特警数百名余りが出動したが、現場に集まっていた村民たちの中
に不法分子が紛れ込んでおり、また村民は村民で自分たちを鎮圧するために警察が出てき
たと勘違いしたため、その場で小競り合いが生じた。そこへ騒ぎを聞き付けた一万人以上
にのぼる出稼ぎ労働者が衝突に加わり、事態はエスカレート。警察車両数台をひっくり返
したり炎上させたりしたほか、防暴警察に対して石やレンガを投げる者も出た。このため
防暴警察は直ちに催涙弾を発射、村民と出稼ぎ労働者は逃げ惑ってパニック状態となり、
現場は混乱の極に達した。村民の張氏は次のように語っている。

「これははっきりと断言できることだが、村民が何人か死んで、負傷者も百人くらい出た。
あと警察の車二台が放火されて炎上していたよ」

●大通りにを埋め尽くす数万人、深夜に至っても解散せず

防暴警察は三時間近くを要してやっと混乱を鎮めると、多数のグループに分かれて不法分
子の捜索・逮捕にあたった。午後八時ごろまでに十数人が拘束されたという。ざっとした
見積もりでは、今回の事件で商店十数軒が騒ぎに乗じた不法分子の略奪にあい、また店鋪
数十軒が建物や物を破壊されるなどした。現場封鎖のために設けられた検問は午後九時ご
ろにようやく解除された。

しかし、深夜に至っても大朗鎮の目抜き通りである富華大道には、依然として出稼ぎ労働
者数万名が解散せずに残っている。地面には割れたガラスや石、レンガなどが散乱してお
り、警察及び軍の車両多数が警戒を続けていた。出稼ぎ労働者によれば、事件は大朗鎮の
治安隊長がこれまで長期間にわたって出稼ぎ労働者に威圧や圧迫を加えてきたことが原因
で、日を追って恨みが蓄積され、いつもなら治安員に苛められてもぐっと堪えるところを、
積もり積もった恨みや怒りが爆発して、今回のような恐るべき騒乱になったのだという。

折しも胡錦涛・国家主席が広東省を視察中であるため、東莞当局はこの事件が悪影響を呼
ぶことを恐れ、騒乱事件に関する情報一切を封鎖している。
563御家人 ◆k/IqiRD5ls :04/12/26 10:09:05 ID:tMkkh7Ri
以上です。どちらの記事にも「暴動が終息」したと書かれていないことに御注目を。

現場は深セン市に隣接する東莞市。
香港記者の面目躍如といったところでしょう。
まだ現場に張り付いていると思われます。