行政院の游錫※・院長は9日、中東のイラク・クルド政府のバルザーニ首相一行らと会見、中華民国と
イラク共和国との初交流を実現しました。クルド政府はクルド人の有力者によって作られた地域政権で、
イラク中央政権にかなり近い権限を有しています。
会見の中で双方は、将来の経済貿易交流と協力強化について幅広く意見交換を行ないました。このうち
バルザーニ首相は、台湾のコンピュータ、農業と電子製品に対し高い関心を示し、イラクを中東地区の
中枢とするためにこれらの技術を導入したいとする考えを示しました。一方、游錫※・院長はクルド地区の
学生を対象に年間3名の枠で奨学金を提供、現地の学生の台湾に対する認識と理解増強に役立てたい
としています。
游・院長はイラク戦争発生後、台湾住民が人道的精神を発揮、国際人道救援組織を通じてクルド地区を
含めたイラク住民に米、医薬品、ワクチン、絨毯、発電機、浄水設備などの物資を提供。国際社会の一員と
しての責任を果たしたと語りました。また、これからも経済貿易、教育、農業、職業訓練などの領域における
台湾の経験と成果をクルド政府が分かち合い、可能な限りの援助を提供すると強調しました。
バルザーニ首相一行は外交部の招きに応じて台湾を訪問したもので、8月8日に台湾に到着、11日には
韓国を訪れる予定です。この度の台湾訪問による北京側からの圧力が懸念されていましたが、バルザーニ
首相は、台湾訪問は経済地盤のためで、北京側の態度は考慮に入れる必要は無いと巍然(ぎぜん)とした
見解を示しています。
イラク戦争前、イラクは北京側と密接な関係にあり、中華民国との交流がほとんどありませんでした。
この度のイラク幹部職員による台湾訪問はイラク戦争後初めてで、双方の実質関係向上に重要な意義が
あると見られています。
※ … 「方方」の下に「土」 読み:コン
http://www.cbs.org.tw/Japanese/ 引用元 台湾国際放送(インターネット放送)