【中国】富士通へのスパイ疑惑でＦＢＩが動く…華為技術[08/03]

シスコシステムズ（ＣＩＳＣＯ）との１年半に渡る争議がようやく終結した
華為技術有限公司に、新たな疑惑が持ち上がっている。
同社社員がスパイ行為を働いたとして、富士通株式会社から
米連邦捜査局（ＦＢＩ）に、捜査要請が出されたという。
３１日付で新浪科技が伝えた。

この報道では、富士通は、華為科技の社員が２００４年６月に米国のシカゴで
開催された通信業界の年次総会「ＳＵＰＥＲＣＯＭＭ２００４」において、富士通が
出品した１００万ドル相当のネットワーク設備を解体、電気回路板の撮影を
行ったという。この社員はスパイ行為を否認しているが、富士通は撮影に
使われたデジタルカメラとノートパソコンを証拠としてＦＢＩに提出したとされている。

また、米国メディアの報道によると、富士通はＦＢＩに捜査を要請したほか、
ＡＴ＆Ｔ、シスコ、ルーセント・テクノロジー、ノーテル・ネットワーク、Ｔｅｌｌａｂｓなどの
通信設備メーカーに対して、華為技術の社員が上記各社などに対しても同様の
手口を行なっている可能性があるとして、それぞれに通達しているという。

富士通側は、この件に関して７月２１日に華為技術の任正非ＣＥＯ（最高経営責任者）宛てに
通知を文書として出している。これを受けて、華為技術はＦＢＩからは連絡を受けていないとし、
社員の個人的な行為であり、会社の関与するところではないとの見解を示しているという。

また、この社員に関しては、故意にスパイ行為を働いたものではないと弁護。
中国を始め世界で開催されるこうした展示会の多くで写真撮影が許可されており、
ＳＵＰＥＲＣＯＭＭも１－２年前は写真撮影が可能であったことと説明、ただし、
この社員はそれまで海外渡航経験がなかったため、認識に甘い部分があったと認めている。

この報道では、富士通にとって、華為技術の成長は脅威となっていると指摘。
この数年間で華為技術の交換機と光通信ネットワークを拡大させ、富士通のシェアを
侵食しているのは事実だ。また４年前に、富士通からアジアの光通信ネットワーク市場
シェアトップの座を奪い、華為技術はその地位に君臨し続けている。

この件が法的にどのような結末を迎えるかは不明だが、特に華為技術は中国企業には珍しく、
積極的に世界展開を実施しているため、今回の件が、今まで知的財産権保護をむしろ全面的に
打ち出してきた華為技術のブランドイメージを多少なりとも損なうことになるのは避けられそうもない。

ソース：
http://news.searchina.ne.jp/2004/0803/it_0803_001.shtml