【北京=福島香織】1989年6月の天安門事件の再評価を中国指導部に迫る
書簡を発表し、先月初めから「行方不明」になっていた北京市の退役軍医・蒋彦永氏
(72)が19日夜、49日ぶりに自宅に戻った。産経新聞に対し、家族が21日確認した。
蒋氏は軍当局に軟禁され、思想教育を受けていたとの見方が強いが、家族は「軍の
規定があり記者の取材は受けられない。詳しい状況は(蒋氏の所属先である)人民
解放軍301病院政治部に聞いてほしい」と語った。蒋氏は心身ともに健康だという。
301病院は「(蒋氏の不明事件とは)無関係」との主張だ。蒋氏は夫人とともに姿を
消し、米国在住の娘が同病院に問い合わせたところ「彼らは安全だ」と答えたため、
2日後に「父母が失跡」との声明を出した。2週間後に夫人が先に自宅にもどり、
今月19日深夜に蒋氏が帰宅した。
米紙ニューヨーク・タイムズ(20日付)は消息筋の話として、蒋氏は軍当局から天安門
事件について洗脳教育を受け、毎日「思想報告」を書かされていたと報じた。蒋氏は
報告の中で、当時の共産党を「重病人」と例え「すぐに手術しなければ死んでしまった」と
し、学生運動が政府の脅威になっていたことを認めたという。当局は「思想の進歩」を
評価して釈放したようだが、事件の武力弾圧には賛同しておらず、当局に屈服したわけ
ではない、というのが大方の関係筋の見方だ。
蒋氏は昨年、北京の新型肺炎(SARS)流行の実態を暴いたことで知られ、中国国民
からも英雄視され絶大な人気を誇る。一方、当局からは要注意人物としてマークされ、
メディアとの接触も禁止されていた。ただ今回のように長期の「行方不明」は初めてで、
無事帰宅後も蒋氏と家族の安全や自由が脅かされる懸念が出ている。
ソース:産経新聞
http://www.sankei.co.jp/news/040722/kok016.htm 関連スレ:
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http://news17.2ch.net/test/read.cgi/news4plus/1089076394/