★ 米GM、アジア太平洋地域の拠点を上海に移転−試験施設も建設へ
6月23日(ブルームバーグ):自動車メーカー最大手の米ゼネラル・モーターズ(GM)は
23日、アジア太平洋部門の本社をシンガポールから上海に移す計画を発表した。成長の
著しい中国市場に拠点を構える。同社はまた、21億元(約280億円)を投じ同市に自動車
試験施設を建設する計画も明らかにした。
リック・ワゴナー最高経営責任者(CEO)が上海での記者会見で明らかにしたもので、
衝撃テストや走行性、耐久性などの各種試験を行う試験施設は本社のある米ミシガン州のものを
除いては同社として最大の規模となる。同社は7日に、30億ドル(約3300億円)相当の中国投資
計画を発表したばかり。
ワゴナーCEOは「地域の拠点を上海に移すことは、当社にとって中国がいかに重要な地位を
占めるようになったかを示している」としたうえで、「躍動的で成長著しいこの市場で地位を
確立することは、もはや選択肢ではなく成長の必須条件だ」と述べた。
GMと米フォード・モーター、独フォルクスワーゲン、トヨタ自動車は過去8カ月の間に
約100億ドル相当の中国投資計画を発表している。第1四半期のGMのアジア太平洋部門利益は
前年同期に比べほぼ4倍の2億7500万ドルとなり、全世界の21%を占めた。
23日付の中国紙、上海モーニング・ポスト(上海新聞晨報)は、中国の自動車メーカー、
上海汽車とGMの合弁会社、上海GMの2003年の純利益は79 億9000万元と中国の自動車
メーカーのなかで最高だったと報じている。
GMは、向こう3年間で20車種の新規投入や変速機工場の建設、エンジン生産拡大などを
計画している。ワゴナーCEOによると、上海の試験施設は2年以内に完成する予定。
アジア太平洋部門ディレクターのジェイ・クーニー氏によると、同社は新拠点として上海のほか、
東京、ソウル、メルボルンを検討していた。同氏は、アジア太平洋地域の事業の約85%は
北アジアに集中していると説明した。
ブルームバーグ
http://quote.bloomberg.com/apps/news?pid=90003009&sid=aIOsMYd1.UyM