日中関係改善 求む妙案
【北京=鈴木孝昌】中国共産党機関紙「人民日報」は、靖国神社参拝問題などをめぐり停滞する日中関係をいかに改善するかをテーマに、ネット上で意見募集を始めた。
日中関係筋によると、中国指導部は、六月上旬の大相撲中国公演を機に、対日関係改善を指示したもようで、人民日報の異例のキャンペーンはその一環とみられる。
募集しているのは▽日中関係の重要性▽歴史問題の重荷をどう下ろすのか▽日本の憲法改正への動きについて▽日中関係改善の方法−などに関する提言や意見。
両国の政府当局者や学者、記者、民間人らの意見を募る。すぐれた提言は週に一回、人民日報本紙の国際面に掲載するという。
中国では過激な反日派のサイトが影響力を強めている。党機関紙を通じた対日関係改善への意見募集は極めて異例で、当局の意図が働いている可能性が強い。
ネット上には「靖国神社問題は日本の内政であり、歴史は過去の問題。新幹線採用に歴史問題を持ち出すべきではない」「日本軍国主義に対する恨みをすべての日本人に拡大しない」
「中国に対して中間的立場をとる政治家やマスコミを取り込み、中国に招いて交流を深める」など、これまで表に出なかった冷静な意見も寄せられた。
「中国が強大になり、両国の経済関係が深まれば関係は改善する」「歴史事実をわい曲し、中国脅威論をあおる日本企業の対中投資を制限する」など、経済力を武器に日本に対し優位に立つという提言も目立った。
東京新聞
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20040612/mng_____kok_____004.shtml