「中国向けに原子力発電用の天然ウランの輸出を検討している」と5月下旬に
報道されたブラジル政府が、31日までに「中国側がブラジルのウランに強い
関心を示しているのは事実だが、輸出の交渉はしていない。当面は国内の原発の
需要を満たすので精いっぱいだ」とする声明を出した。
ルラ大統領が5月下旬の中国訪問中、同行した科学技術省幹部が輸出の
可能性に言及した。ところが地元メディアの報道によると、ブラジル側では、
原子力開発の技術分野を担当する軍部の了解や根回しがなく、報道が先行
したことに反発が広がった。またウラン採掘を担当するブラジル原子力工業
会社も「輸出するには、採掘量を増やすための新たな設備投資が必要」と戸惑った。
発電用に限定するとはいえ、核兵器保有国である中国にウラン輸出を検討
しているとなれば、周辺国から疑念の目で見られかねない。そうした政治的な
配慮も働き、声明を出したらしい。原子力の平和利用分野での共同研究などの
協力関係については両国間で拡大する予定だという。
http://news.goo.ne.jp/news/asahi/kokusai/20040601/K0001200708014.html