金融管理庁(MAS)は5日、銀行の非金融部門売却を促進するため、関連会社との株式持ち合いを制限する
規制を即日実施すると発表した。関連会社は出資銀行の株式を2%までしか保有することはできなくなった
。背景にはUOB銀行と不動産子会社ユナイテッド・オーバーシーズ・ランド(UOL)の株式持ち合い解消の狙いが
あるとみられている。
MASは2000年6月、国内銀行の金融・非金融の両部門を分離するため、グループ内での株式持ち合いを制限する
規則を発表。非金融会社への出資を10%以内とし、それを超える株式を売却するよう銀行に義務づけた。
政府は猶予期間をもうけ、売却期限を06年7月17日としている。今回の規制では、詳細を規定するという形をとった。
新規制は銀行の関連会社を◇子会社◇銀行が20%以上の株式を持つ会社◇銀行の支配下にある会社――と定義。
関連会社が保有する株を銀行の持ち株と見なすことで、間接所有による支配関係を明確にした。その上で、銀行は
直接・間接を通じて非金融会社株を10%を超えて保有できないとした。
MASは例外規定も設けた。銀行や関連会社が保険基金や投資家の基金を通じて投資する場合、保険契約者や
投資家が主な利益享受者となるため、銀行の持ち株とは見なさない。
関連会社は銀行の株式を2%までしか保有することができないが、この場合も同様の例外規定が適用される。
銀行は不動産関連事業に最大で20%まで出資することができるが、不動産開発や運営に携わることはできない。
6日付アジアン・ウォールストリート・ジャーナルによると、DBSグループとOCBC銀行はすでに持ち株解消を
進めており、新規則の影響をあまり受けないもようだ。一方、UOLはUOB株を4%所有しているため、2%分を
放出する必要がある。
国営投資会社のテマセク・ホールディングスは、UOBに対してUOL株(発行済み株式の49%)の買収を提案した。
UOBはウィー・チョーヤウ会長が実質的に支配しており、今回のMAS発表はウィー会長に対する
「政府の明確なメッセージ」(同紙)との見方もある。(NNA)
[5月7日10時28分更新]
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