最近、ソウル都心の公園はホームレスのものだ。気候が暖かくなってきたため、冬の間地下道や駅の待
合室で寒さをしのいでいたホームレスたちが一斉に外に出てきたからだ。ソウル市・ホームレス対策チー
ムのある関係者は「街頭で各種の団体が食事を提供しているのもホームレスの増える理由のひとつ」と話
した。
ソウル市の調査によると、ホームレスの数は99年以来減少している。しかし街頭をさまよい歩くホームレス
は増加の傾向を見せている。昨年3100人だったホームレスは今年は2800人。街頭をさまよい歩くホーム
レスは昨年の350人から今年は500人(4月現在)を超えている。
ソウル・東崇(トンスン)洞のマロニエ公園にいたホームレスのキム某(50)さんは「ホームレス施設は自由
に出入りすることができず、酒も飲ませてくれない」とし、「暖かくなってきたし、食事も解決できるから野宿
の方がはるかにいい」と話した。
地方自治団体と宗教団体が運営するホームレス施設はソウルに合わせて68カ所。定員3100人の施設に
現在2100人だけが収容されている。
公園でホームレスと接する一般市民らは当惑を隠せずにいる。
永登浦(ヨンドゥンポ)公園に小学校の娘と一緒にピクニックに行ったパン某(女性/35)さんは、「あるホーム
レスが堂々と立ちションをしているので、逃げるように帰って来た時もあった」と話した。ベビーカーに子どもを
乗せたイ某(31)さんは「すごい悪臭を漂わせながら近づいてきて話かけてきたり、子どもを触ろうとする時は
正直とても怖くなる」と話した。
事情がここまでくると、ソウル都心の公園は「一般市民の憩いの場」という本来の機能を失っている。
西小門(ソソムン)公園の管理人、ユン某(50)さんは「ホームレスが公園に来る人たちに物乞いをし、無視さ
れれば暴言を吐くということもよくある」とし、「ホームレスも市民なのだから追い出すことはできないが、ホーム
レスの飲んだ酒のびんやゴミを片付けるのはうんざりする」と話した。
もちろん、景観が悪いという理由で市民の権利を持つホームレスを公園から追い出すことはできない。
公園のホームレス問題で頭を悩めている米国のニューヨーク、日本の東京はホームレスの施設を閉鎖的な隔
離空間から、自由に出入りできて衣食住の心配のない「ドロップイン(Drop−in)センター」に替えて問題を解決
している。
貧民問題研究所のユ・ジョンスン所長は「ホームレスの利用する便宜施設を集め、ホームレスが自然と一定地
域に集まるようにする方法が必要」と指摘した。
現在、ソウルには「ドロップインセンター」型のホームレス施設が4カ所ある。
http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/04/21/20040421000078.html