ケリー米国務次官補(東アジア・太平洋担当)は二日、先の六カ国協議でウラン濃縮計画の
有無をめぐって北朝鮮の姿勢に変化があったことを示唆した。これに関してワシントンの朝鮮
半島外交筋は同日、今年一月の米国の専門家チームが訪朝した際、この問題で話し合う用意が
あると伝えていたことを明らかにした。ウラン濃縮計画の有無は六カ国協議における米朝の
最大の対立点となっているが、先の協議を通じ北朝鮮が何らかの間接的表現で、濃縮計画の
存在をにおわせていた可能性がある。
朝鮮半島筋によると、一月初めに米国の核専門家、議会スタッフのチームが北朝鮮を訪問、
寧辺の核施設を視察した際、金桂寛外務次官が、ウラン濃縮施設について「専門家も施設も
持たない」と述べ、いったんは存在を否定。しかし金次官は「われわれはこの問題を話すときは
いつも真剣だ。技術的な問題を話し合うことを受け入れる用意がある」とも述べ、計画の存在を
認めるかのような態度を示したという。韓国のメディアも先月中旬、北朝鮮がウラン濃縮施設に
ついて米国と協議する用意があると第三国に伝えたと報じている。
ケリー次官補は二日、この問題をめぐって上院外交委員会で証言した際、先週開かれた六カ国
協議での北朝鮮の態度について「否定はしたが、かたくなではなかった」と微妙な言い回しで、
北朝鮮の態度に変化があったことを示唆した。ケリー氏はそれ以上踏み込むのを避けたが、朝鮮
半島筋によると、北朝鮮側は米国の専門家チームに対したのと同様の表現で、間接的にウラン
濃縮計画の存在を認めた可能性があるという。
(略)
http://www.sankei.co.jp/news/040304/morning/04int001.htm