一九九七年に北朝鮮から韓国に亡命した黄長〓(ファン・ジャンヨプ)元朝鮮労働党書記
(80)は七日までに、本紙のインタビューに応じ、北朝鮮の濃縮ウランによる核兵器開発に
ついて、「全秉浩(チョン・ビョンホ)軍需工業担当書記が九六年にパキスタンに出向いて
協定を結び、始まった」などと、具体的な経緯を明らかにした。
北朝鮮側は一月に訪朝した米国の専門家らに対し、濃縮ウランによる核開発計画はないと
説明したが、日米韓三カ国は、同計画の真相究明が不可欠との立場。黄元書記の証言は、
二十五日から北京で行われる六カ国協議の行方にも影響を与えそうだ。
黄元書記によると、当時、全書記が国際担当書記だった黄元書記に対し、「ロシアなどから
(核兵器製造につながる)プルトニウムを買えないか。核爆弾をもう少しつくっておきたい」と
核兵器の存在を認めた上で、増産に向けたプルトニウム輸入を持ちかけていた。
その後、全書記は一カ月ほどパキスタンに出張。帰国後、「今後はプルトニウムは必要ない。
パキスタンとの合意で、ウラン235で(核兵器を)つくるようになった」と告げたという。
また、黄元書記は北朝鮮の内部変化を促し、同国の民主化を進めるため、五月末ごろまでに
脱北者や韓国内の各種団体と連携する「北韓(北朝鮮)民主化連合」を発足させ、韓国内だけ
ではなく海外でも活動する構想を紹介。
日本に関しては、近く成立する北朝鮮への経済制裁を可能にする外為法改正案について、
「民主主義的な政策だ」と評価。一方で、金正日(キム・ジョンイル)政権の延命につながる
として、日朝国交正常化は急ぐべきではないと指摘した。
※〓は火へんに華
http://www.tokyo-np.co.jp/00/kok/20040208/mng_____kok_____005.shtml