逃 走 者   岩 崎 真 季   

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◎感想

結果論でしかないが、この時は、気象台も予測できなかった強い低気圧の発生によって、予想もつかない悪天候に見舞われた事が招いた不運な遭難であると言うこ
とが出来る。赤羽校長は随分とたたかれたようであるが、あの状況下で彼がとった行動は、さすが登山なれしているのだろう、考えうる最善策であったとは思う。
結局登山隊は彼の手で終えなくなってしまったが、そうなっても最後まで一人でも多く助けようとし、そして殉職した彼の姿勢はむしろ賞賛に値するであろうし、
彼のこの姿勢が、あるいは全滅してもおかしくない状況下で、遭難者を何とか10名に食い止めたのだと私は考える。やはり、きちんとした指導者に巡り合いたい
ものだと感じる一冊であった。