★祝★作る会の教科書 合格!!!

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化学や物理、数学と違い歴史には数式も定理もありません。人間の為す行動の集積である歴史はあまりにも複雑すぎて法則化することなどできません。しかし共産主義黎明期の学者たちはこれに満足できず歴史の全局面に応用可能な真理を編み出そうと苦闘しておりました。人類史を経済史と見なすことによって数値化してしまうこころみ、あるいは人口と食料の果てしなき闘争から戦争をはじめとする人類の行動を把握しようというこころみ。マルクス主義的歴史観はこのような諸々のこころみの一つの到達点であり進化の袋小路といえるでしょう。進歩史観は歴史に非常にわかりやすい体裁を与えてくれました。言うなれば歴史を法則化したわけです。マルクス主義に与する学者たちの掲げる歴史は非常にわかりやすく、例えばスパルタカスの乱はローマ剣闘士奴隷による栄光ある革命の先駆けとなります。農民一揆なども御同様です。そして法則化の後にくるのはその法則に基づく未来予測で、こうして来たるべき輝ける共産主義世界という妄想、それは歴史の必然であるという妄想が世界中に敷衍したというわけです。単純なるがゆえに多くの人をひきつけましたが、単純なるがゆえに嘘。
「歴史は科学ではない」はいまだに日本の歴史学の世界に大きな影響力を持つこのような旧来の勢力への決別の辞であると私は見ます。
話は変わりますが、弁護士に共産主義者が多いのは法律という極めて単純な世界に生息しているため、人間や社会も同様に単純であると勘違いしているからではないでしょうか。