この事実を知ってほしい
■web正論 12月号 フランス在住邦人 敦子カロー
日本の公共放送が海外のテレビ局に貸し出した映像はどう“利用”されているのか
NHKが関与した恐るべき「黙示録」(1)
http://www.sankei.co.jp/seiron/wnews/0912/ronbun3-1.html ■黙って見過ごせない内容
その番組のタイトルは「Apocalypse(黙示録)」という。FRANCE2と
いうテレビ局が近現代史をテーマに制作した全六回のシリーズで、私が
暮らすフランスにおいて大好評を博したドキュメンタリー番組である。
息子(高校生)の学校の先生が「いい番組だ」と推薦したこともあって、
わが家では九月十五日に放映された四回目を観ることになった。
■残忍非道に描かれた日本人
さて、問題の番組の内容を紹介したい。観ていて一番ショックを受けた
箇所は、中国大陸で、日本の軍人が住民と思われる女子供を縛って、
生きたまま土に埋めてゆく場面である。
番組の冒頭もひどいものだった。旭日旗が画面いっぱいにはためき、
「予告なしの真珠湾攻撃」が始まる。ここで紹介されるのは、日本人パイ
ロット三十人とアメリカ人二千五百人が死亡したという捏造された数字。
さばを読んで上増ししている数字にも一言もの申したいのだが、何よりも
アメリカの一般市民が犠牲者となったような、つまり日本が無差別爆撃を
したような印象を与えるのは断じて不当である。さらに奇襲攻撃のフィル
ムを見せた後で、「米国は日本の石油供給源を止めました」とナレーター
が言う。これでは時系列が逆ではないか。『日本悪玉論』は、こうして
作られてゆくのである。