卑劣な犯罪者、小林一美実行犯(45)に実刑を望む声多数★126

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685金吾中納言
八八艦隊計画案までの駆逐艦の任務は、やはり米主力艦への魚雷襲撃でしたが、その背後には米主力艦とほぼ同等の戦力の日本主力戦艦部隊が控えていました。
万が一、水雷戦隊による襲撃が失敗に終わったとしても、日米主力艦同士の砲戦に致命的な影響が波及することはないのです。
ところが、対米6割に抑え込まれたワシントン条約後では、水雷戦隊による米主力艦への魚雷襲撃が失敗することは、即ち、6割の主力艦で10割の米主力艦を撃滅しなければならないことを意味したのです。
戦力自乗の法則によれば、36対100、日本海軍が猛訓練を積んだとしても、ほとんど勝ち目のない戦力格差がそこに生じることになるのです。
そしてこの任務を果たすには、1917年(大正6年)に開始された八八艦隊計画案における艦隊型一等駆逐艦「峯風型」、及びこれに続く改正型「神風型」では、役不足であったのです。
ワシントン条約が締結された時点で、「峯風型」「神風型」は、砲力、凌波性、速力においては、特に問題はありませんでした。砲力においては、列強の駆逐艦に対して概ね優勢でした。
凌波性にしても、米太平洋艦隊を邀撃することになるであろう、小笠原から沖縄へ独力で進出できる程度の力は備わっています。
速力の面でも、米三年計画が潰え、米新式巡洋戦艦がいなくなった今、低速・重装甲が特徴の米戦艦を捕捉するには十分以上の性能があります。
では問題は何か。
問題は、魚雷兵装でした。
八八艦隊型駆逐艦である「峯風型」「神風型」の搭載する魚雷は、53センチ魚雷です。この兵装自体は、当時列強が装備していた魚雷と性能的には大差ありません。
しかし、水雷戦隊の魚雷襲撃の成否の比重が、今までとは比較にならないくらい重くなったワシントン条約後の環境においては、日本海軍の目に53センチ魚雷は完全に力不足に写ったのです。
味方主力艦が互角に戦える程度にまで敵主力艦を撃破すること、次期主力駆逐艦にはこれが至上命題とされました。
そして、日本海軍の仮想敵国はアメリカであり、撃滅すべき目標は、防御力には定評のあるアメリカ戦艦でした。
水中防御力が急速に強化されつつあったこの時代、特にアメリカ戦艦を確実に仕留める為には、より強力な魚雷兵装、61センチ魚雷が不可欠であると判定したのです。
この結果計画された駆逐艦が、本型「睦月型」だったのです。