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萬晩報の『通貨偽造も「愛国的行為」スーパーノートの出所について』という
記事から転載します。
昨年12月18日から六カ国協議が北京で開催され、それがきっかで19日に
米朝間でバンコ・デルタ・アジア(BDA)実務協議がもたれた。北朝鮮は凍結
解除を、米国は「偽ドル札・スーパーノート製造関係者の処罰と偽造ドルの銅
板廃棄などの措置」を求めたとある。周知のように、六カ国協議はその後具体
的成果もなく休会する。
世界中のほとんどの人は、北朝鮮がドル紙幣を偽造しても不思議ないと思って
いるのではないのか。というのは、この国が昔からいろいろ悪いことをしてい
るからである。とはいっても、していないことまでしていると主張するのはよ
くない。1月7日付きフランクフルター・アルゲマイネ・ツァイトゥングで
「スーパーノートの出所はCIA?」という記事を読んだ私にはそう思われた
。
この記事を掲載したフランクフルトの新聞であるが、ドイツを代表するクオリ
ティペーパーで、政治的には保守・親米的である。よりによってこの新聞が米
国に対して北朝鮮の弁護役をかってでたことに私は驚いた。記事を書いたのは
クラウス・W・ベンダーさんという経済記者である。紙幣など偽造されてはい
けないものを印刷することに関連した業界は「セキュリティ印刷」とよばれて
、一般に知られることが少なかった。ベンダー記者はこの業界についてよく調
べて3年前に「マネーメーカー」という本を書く。スーパーノートについての
彼の記事は私におもしろかったので、今からその内容を紹介する。
394 :
@:2007/02/18(日) 18:52:18 ID:40gVMilT
■インターポールの対策会議
まず問題の偽百ドル紙幣であるが、1989年マニラの銀行ではじめて登場す
る。精巧にできたもので専門家が視覚・触覚だけでは本物と区別ができないこ
とから、「スーパーノート」とか「スーパーダラー」とかよばれる。本物の百
ドル紙幣は1996年以来が何度か変更されたのに、スーパーノート偽造者は
どの変化も直ちに取り入れる。ベンダー記者が挙げる例であるが、百ドル紙幣
のフランクリンの肖像には肉眼で見えない0,6ミクロンの文字が隠されてい
る。このような小さな変化も無視しない偽造者の几帳面さは驚嘆に値する。
偽造百ドル紙幣・スーパーノートは米国も調べているが、国際社会ではインタ
ーポール(国際刑事警察機構)が捜査の中心になっている。すでに2005年
3月に加盟国に対して危険度が最高度のオレンジ警報が発せられた。今年の7
月26日にスーパーノート対策会議がリヨンの本部で開催されて、加盟国代表
者やセキュリティ印刷業界関係者など60名が参加した。当日、米シークレッ
トサービスとインターポールの代表者が状況報告をし、その後出席者は個別グ
ループに分かれて議論をかわした。
395 :
@:2007/02/18(日) 18:53:50 ID:40gVMilT
ベンダー記者の記事によると、参加者のなかから、米国の北朝鮮犯行説
に納得できないだけでなく、「米国がこのスーパーノートの背後にいる
」とささやく人まであらわれたという。というのは、米国の挙げる「証
拠」は、北朝鮮の外交官がこの偽造紙幣を所持していたとか、あるいは
彼らから偽造紙幣を受け取った人が交換しようとしたとか、そのたぐい
のものばかりだからである。あるいは、偽造に関係した亡命者の発言
(「自慢話」)をもとにしたレポートで、肝心の物的証拠となると機密
保持を理由にして米は話してくれない。
このような話に接すると、ベンダー記者にはイラクに大量破壊兵器があ
るとした4年前の米国の主張が思い出されるという。ちなみに、コリン
・パウエル前国務長官はイラク侵攻前の安保理事会で亡命者の発言や写
真をもとにして大量破壊兵器の存在を証明する演説をしたが、辞任後そ
の演説を「自分の人生最大の汚点」とよんでいる。