【小田久栄門】テレビ朝日の恥部【小林勇】★セクハラ王国

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1原地隆(元テレ朝社員)
>私がまだ新人の頃、『モーニングショー』の家出人捜索コーナーの女性アシスタントが収録
>直前に失踪した事件があった。「蒸発コーナー担当の女子アナが蒸発した」と大騒ぎになった
>ことが、後になって裏話を聞いてさらに仰天した。番組の責任者だったX氏がその女性アナを
>反省会で延々と叱りつけ、個別指導と称して自分のマンションに呼び出し、そこで関係を強要
>したというのだ。

>知られているところでは、社旗を立てたハイヤーで産婦人科病院に入院している愛人を見舞った
>帰りを“FOCUS”されたり、時代劇の出演女優にセックスを強要している会話を盗聴されてしまった
>事件など、小田の女性問題については枚挙にいつまがない。
>そのなかでも小田にとって致命的だったのは、女性報道部員にセクハラ行為を働いた事件だろう。

テレビ朝日「カネ」と「女」−局に36年間を捧げた社員が実名告発
「国税調査8カ月」「セクハラ事件隠蔽工作」を全て明かす
原地隆/テレビ朝日、君和田正夫社長  週刊文春(7/6)
http://72.14.235.104/search?q=cache:MX5pcu0KMfoJ:www.zassi.net/mag_index.php%3Fid%3D135%26issue%3D9924
テレビ朝日、カネと女−役員が隠蔽を命じた幹部社員「セクハラ事件」
テレビ朝日、君和田正夫社長、JCTV   週刊文春(7/13)
http://72.14.235.104/search?q=cache:a8dqHb6ynqEJ:news.livedoor.com/magazine/detail-28492.html

【脱税】テレビ朝日の体質を実名社員が告発【セクハラ】
http://society3.2ch.net/test/read.cgi/mass/1151884721/
http://p2.chbox.jp/read.php?host=society3.2ch.net&bbs=mass&key=1151884721&ls=all
res番:【2006.7.6号】25-31、【2006.7.13号】55-60

権力闘争から社内不倫まで、「テレビ朝日」暗闘史
原地隆/テレビ朝日・君和田正夫社長  週刊新潮(12/21)
http://72.14.235.104/search?q=cache:zgoiRx-xeFoJ:www.zassi.net/mag_index.php%3Fid%3D23%26issue%3D20229
ttp://vipup.sakura.ne.jp/512kb/src/512kb_6095.jpg.html
ttp://vipup.sakura.ne.jp/512kb/src/512kb_6096.jpg.html

記事で綴るテレビ朝日社史
http://www.asahicom.com/tvasahistory.htm
2【週刊文春 2006.7.6号】:2006/12/29(金) 04:21:00 ID:+QHSGtmN
局に36年間を捧げた社員が実名告発

テレビ朝日「カネ」と「女」
「国税調査8カ月」「セクハラ事件隠蔽工作」を全て明かす

原地 隆 テレビ朝日 元関連企業部長

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ドイツW杯の高視聴率の裏側で、実は社内は開局以来最大の不祥事の発覚に脅えている。
問題を隠蔽し続け、派閥人事に明け暮れる役員たちに、もはや自浄能力は期待できない。
さらばテレビ朝日―大学卒業以来、36年間のすべてをテレビに捧げた男の実名告発。
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 私が何故、愛すべきテレビ朝日を告発するのか―それは、マスコミにわずかでもタブーが
あってはならないと信じるからである。
 公共の電波をあずかるテレビ局はその影響力の大きさからして、世間一般の企業に比べ、
はるかに高い倫理観と責任が必要だ。
 テレビは経営者自らの驕りやご都合主義を叶える道具ではない。何千万人という視聴者
によって支えられる公器である。
 しかし、今までに数え切れないほどの不祥事を起こしながら、根本原因の究明に真摯な
態度で取り組もうとせず、派閥人事に明け暮れるテレビ朝日にはもはや、自浄能力はない。
ならばその実態を明らかにすべきではないか。私は幾度も悩んだすえ、広く世間に訴えて、
マスコミの倫理や社会通念を守ることを優先すべきだという結論に達した。
 私はこの6月、人生の36年間を捧げたテレビ朝日を去ることを決意した。社を去るにあたり、
テレビ朝日の不祥事と、それをひたすら隠蔽しようとする組織の体質を明らかにしたい。

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 原地隆氏(59)は早稲田大学卒業後、1970年NET(現・テレビ朝日)入社。外国映画プロデュ
ーサーを経て、『モーニングショー』『アフタヌーンショー』のチーフディレクターとして活躍。
85年山口組―一和会抗争で突撃取材を敢行し、20パーセントを超える視聴率を叩き出した。
32:2006/12/29(金) 04:22:35 ID:+QHSGtmN
その後スペシャル番組やスポーツ番組をプロデュースし、関連企業部長を経て、4年前に
関連会社の役員として出向。そして今回の告発を機に、テレビ朝日を早期退職した。
 6月28日に開催された定時株主総会でも、テレビ朝日を揺るがす“巨額不明金疑惑”につ
いて質問し、経営陣の責任を追及するとしている。
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『TVのチカラ』の巨額不明金疑惑

 先日、テレビ朝日はドイツW杯・日本―クロアチア戦を放映し、52.7%(関東地区)の高視聴
率を記録した。看板番組の『報道ステーション』も好調で、屈辱の平均視聴率万年4位から
脱却して、ようやく浮上すると期待されている。ところがこうした好調の裏で、実は社内は
テレビ朝日“開局以来の不祥事”の発覚に戦々恐々としている。
 人気番組『奇跡の扉 TVのチカラ』の担当者、Kプロデューサーの“巨額不明金疑惑”である。
 昨年11月、テレビ朝日に国税の調査が入った。2年に1度の税務調査は通常1週間から
10日程度で終わるが、今回は3月末まで長期間に及ぶものだった。
 このこと自体が異常ともいえるが、その聞き取り調査から、国税がKプロデューサーの金銭
の使途、下請けの制作会社との関係について強い関心を持っていることがわかった。
 編成制作局のチーフプロデューサーのKは、『水曜スペシャル 川口探検隊』シリーズや
『目撃!ドキュン』などヒットを飛ばし、“テレ朝の視聴率男”として有名な男だ。四国にある
テレビ朝日系列のテレビ局オーナー一族の出身で、大学を卒業後いったん毎日放送に入社
したが、その後テレビ朝日に中途入社した。
 川口探検隊では、コブラに金色スプレーをかけて「衝撃!黄金のキングコブラ発見」、実際
に船を沈めて「謎の沈没難破船を海中探索」等々、過剰演出は毎度のことで、数字を取る
ためなら何でもありの典型的なテレビマンだった。
 昨年暮れもKは、『TVのチカラ』で心霊捜査官が「ここに凶悪事件の犯人がいる」と予言した
地域が特定できる映像を流してしまい、地元住民から苦情が殺到し、減給処分を受けた
ばかりである。そんなKを数字が取れる敏腕プロデューサーとして、上層部は評価してきた。
42:2006/12/29(金) 04:24:07 ID:+QHSGtmN
 ことの発端はKの豪遊だった。Kは以前から芸能人や同僚と麻雀をして「1回で100万円
賭けた」と豪語していたし、「銀座でひと晩100万円使った」と自慢するような男だった。収録
後に制作会社の幹部やタレント、編成制作局の社員を連れて銀座や六本木で豪遊するの
は、日常茶飯事。また、そんな話を社内でおおっぴらにしていても、Kを咎める上司はいな
かった。
 それがテレビ朝日の“常識”だったからだ。
 Kの豪遊に注目した国税が調査したところ、Kが制作費を水増し発注し、その見返りとして
制作会社数社に「接待費」を持たせているという疑惑が浮上した。
 実際、Kが豪遊の費用を制作会社に持たせていたことは間違いない。
 私が3年前に『TVのチカラ』の司会を突然、降板したタレントの板東英二氏本人にその理由
を尋ねたところ、彼はこう答えた。
「Kさんに銀座の高級クラブの接待費と、ゴルフコンペの開催費用を持つように要求され、
冗談じゃないと喧嘩してやめたんです」(編集部注・板東氏は取材拒否)
 下請け制作会社は、要求を断るとKに仕事を切られるので、仕方なく接待費を捻出していた
のが実情だ。過剰な接待費が苦しい経営を圧迫し、ついには倒産してしまった会社もある。

いまも社内に陣取る国税

 社内では、水増し発注された金額はこれまでに判明しているだけでも1億3千万円を上回っ
たといわれている。しかし、私が社内で独自につかんだ情報によると、国税はテレビ朝日に
Kが制作会社に持たせた「接待費」をKの「交際費」として認めるように通告し、約1億千万円
の追徴課税を求めている。もちろん申告漏れではなく、悪質なケースとしてだ。それを元に、
法人税、事業税、地方税などの課税から逆算すると、少なくとも約2億4千万円以上の会社
の金が、Kによって、不当に使われたことになる。
 しかし、テレビ朝日は現在も追徴課税を認めず、必死に抵抗している。
 社内の事情聴取でKは現金では受け取っていないと主張しているそうだが、接待費を肩代
わりするように強要していたのであれば、巨額の現金を授受しているんことと変わりはない。
 事態は深刻である。
 ほとんどの社員は知らないが、実は、いったん引き揚げたはずの国税は、連休あけから
再びテレビ朝日の調査に乗り出している。
52:2006/12/29(金) 04:25:43 ID:+QHSGtmN
 現に5月17日の午後、編成局長と編成業務部長、経理部長の3人が国税の対応に追わ
れ、調査官が陣取るテレビ朝日のA応接室に冷汗たらたらで駆け込む姿を、私は目撃して
いる。
 現在もなお、社内に陣取る国税の本格的な調査は続いている。調査は実は、昨年11月
から8カ月にも及んでいるのである。
 これほど長い時間をかけるには、K個人の問題を超えた何かがあるのではないか。にも
かかわらずテレビ朝日の役員会では、調査再開について報告を行ったが、部下や社内に
漏らさないよう緘口令を敷いている。

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「テレビ朝日は現在、国税の調査の進展を見守るしかない状況で、事態は大詰めにきて
いる。あとは国税の更正通知の決定を待つだけだが、Kの疑惑はほぼ真っ黒です。Kの
饗応にはその上に連なる幹部社員も浴していて、その点も含め、国税は慎重に調査して
いる。また、金額が大きく社会的な影響も大きいので警察当局も非常に注目している」
(全国紙社会部記者)
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 国税調査官から社内の関係者が次々と呼び出しを受け、事情を聴取される中、Kは昨年
暮れから自宅待機を命じられたままで、会社に姿を見せていない。
 しかし、テレビ朝日は対外的には「健康問題のため現場を離れている」としている。社内的
には「国税の調査に協力しているので、業務を外れている」と説明し、疑惑が発覚してから
8カ月も経っているのに何の処分も下していない。
 上層部は、来年4月にKが定年を迎えるまで、時間稼ぎを続けるつもりなのだろうか。処分
すれば、上層部の誰かに波及するとでも思っているのだろうか。
 Kの行状は一部ではすでに報じられ、問題になっている。2月には逮捕説まで流れ、他の
テレビ局やマスコミにもマークされていた。そんな人間に対して、何の処分も下さない会社
とは一体、何なのか。
62:2006/12/29(金) 04:26:57 ID:+QHSGtmN
 テレビ朝日は報道機関であると同時に、一部上場企業でもある。この疑惑を自ら解明しな
いのは、株主に対する裏切り行為という他はない。Kの制作費流用が事実であれば、株主
にとっては逸失利益となる。本人を懲戒解雇した上で返還請求するべきだろう。この際、
徹底的に真相を究明し、膿を出さねばならない。
 株主総会に先立つ、4カ月前の2月15日、私は君和田正夫社長と30分間話し合いをもった。
企業コンプライアンスについて11項目の質問を手渡し、回答を待った。しかし、残念なことに、
社のトップである彼から何一つ明快な回答は得られなかった。

派閥人事の「腐蝕の連鎖」

 この4年間、テレビ朝日本社では不祥事が続いた。深夜、一人暮らしの女性を狙った連続
強姦容疑で逮捕された営業社員。一晩に何百万という大金を使い、バカラ賭博で捕まった
入社3年目の元早大ラグビー部主将。いずれも役員の強力な後押しがあって入社した社員
だった。犯罪に染めた社員が罰せられるのは当たり前だが、幹部には何のお咎めもない。
 コンプライアンスとか、社員のモラルとか、お題目を唱える前にすべき事は、役員自らが衿
を正すことである。テレビ朝日には年収3000万〜6000万という、世間の相場では考えられ
ない高額な所得を手にしながら、ポストにしがみつこうとする役員が数多い。
 古くは“テレビ朝日の天皇”の異名をとった、元役員X氏の女性問題がいい例だ。彼の一連
過ちが原因で、テレビ朝日はながらくマスコミとしての権威と信用を失墜した時期がある。
 私がまだ新人の頃、『モーニングショー』の家出人捜索コーナーの女性アシスタントが収録
直前に失踪した事件があった。「蒸発コーナー担当の女子アナが蒸発した」と大騒ぎになった
ことが、後になって裏話を聞いてさらに仰天した。番組の責任者だったX氏がその女性アナを
反省会で延々と叱りつけ、個別指導と称して自分のマンションに呼び出し、そこで関係を強要
したというのだ。
 当時、新婚だった彼女は、夫に合わせる顔がないと蒸発してしまったのが騒動の真相だった。
事件が発覚しX氏は制作部から編成部に飛ばされたが、当時の実力者に気に入られていた
ため、編成局でトントン拍子に出世していった。
72:2006/12/29(金) 04:28:19 ID:+QHSGtmN
 悪事を働いた人間を許すばかりか、むしろ重用するという会社の内情を目の当たりにして、
複雑な思いに駆られたことが、今でも胸によみがえる。
 X氏はその後もたびたび女性がらみの事件を起こした。女子アナへのセクハラ行為や、パリ
支局開設時の報道部員へのわいせつ行為。『暴れん坊将軍』への出演を条件に、女優に
「おれの烙印を押しておく」と、関係を強要したと報じられたり、社のハイヤーで妊娠した愛人
の見舞いに行く、公私混同ぶりをフォーカスされたこともあった。
 だが、彼は20年以上も生き延びた。人事をはじめとする主要部署に仲間を配置して、派閥
人事を行ってきたからだ。
 テレビ局の内情を十分に知らないまま朝日新聞社から舞い降りてくる歴代社長に対し、
三浦甲子二・元専務(故人・朝日新聞出身)―小田久栄門・元取締役(プロパー)―早河洋
専務(プロパー)と続く派閥ラインは厳然とある。
 その結果、社内には「腐蝕の連鎖」が蔓延し、やがて「良識が見殺しにされる」時代が長く
続いたのだ。
 ちなみに『ニュースステーション』の総責任者が小田氏で同番組のプロデューサーが早河
専務だった。
 テレビ朝日が現在も“早河独裁”と恐れられる派閥支配体制が続いており、朝日新聞出身
の広瀬道貞会長との連携ですべてが決められる。アジアサッカー連盟主催試合の地上波
独占放映権を実に約90億円で購入したが、そのために数ある他の事業を潰した。そうした
独裁に対し、役員といえども異論は挟めない。以前にも増して、物言えぬ空気が支配してい
るのだ。
82:2006/12/29(金) 04:30:27 ID:y4Jwno3w
「派閥にぶら下がってさえいれば、何をやっても許される」というものの考え方や「どうせ何を
言ってもムダ」という諦めが、社内に蔓延するのも無理はない。
 現に、営業局の業務部長時代に白紙領収書で会社の金を何百万も着服した人間が、平然
と他を押しのけ、局長そして役員待遇にまで昇格する会社である。まともな社員は何を信じて
生きればよいのだろうか。
 私はこの36年間、ただ他局に打ち克つことだけを信じ、努力してきた。
 だからこのような形で自分の愛する会社を告発することは、断腸の思いだ。また、愛社精神
のある多くの先輩方からご批判をいただくかも知れない。
 それでもなお私が告発しようと決意したもう一つの理由は、4年前の関連企業部長時代に、
私自身が実際にその処理を命じられた、セクハラ事件にある・・・・・・。

(以下次号)
9【週刊文春 2006.7.13号】:2006/12/29(金) 04:32:23 ID:y4Jwno3w
実名告発
テレビ朝日 「カネと女」(2)

役員が隠蔽を命じた幹部社員「セクハラ事件」

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6月28日、私はテレビ朝日の株主総会で『TVのチカラ』の巨額不明金疑惑を追求した。しか
し、経営陣は相変わらず曖昧な答弁に終始する―私がもはやこの会社に自浄能力はない
と痛感したのは4年前、役員が隠蔽を命じたあるセクハラ事件がきっかけだった。
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 6月28日、私はテレビ朝日の定時株主総会で質問に立ち、8カ月に及ぶ異例の国税調査
を踏まえ、『TVのチカラ』のKプロデューサーの巨額不明金疑惑を追及した。
 前号で詳述したように、試算によればKが制作費2億4千万円以上を流用していること、
それを見過ごしたのは商法上の善管注意義務の怠慢であること、それら全てが株主代表
訴訟の対象になりうること―しかし広瀬道貞会長、君和田正夫社長ら経営陣は、私のほとん
どの質問に対し、「現在調査中です」という曖昧な答弁に終始した。
 思い起こせば、私が社員として過ごした37年間、テレビ朝日は不祥事に対する責任が
あまりにも希薄だった。経営陣に不都合な事が起きれば、世間の目に触れないよう、時間を
かけて真実を闇に葬る。
 私が実際に見た、その恥ずべき“隠蔽”の一例をここで明らかにしておこう。
 ここに2通の告発状がある。告発されているのはいずれもテレビ朝日のCS放送(たとえば
主な番組はCNN)を担う日本ケーブルテレビジョン(JCTV)のK社長(当時、現在62)。彼が
約1年半にわたって社内で繰りひろげた、密室内でのセクハラ行為の実態を訴えたものであ
る。
 差出人は心身共にボロボロになった結果、やむなく退社に追い込まれた被害者A子さん
(当時24)と、彼女の上司であったJCTVのN課長である。
 K社長は当時、テレビ朝日社員の身分で関連会社であるJCTVの社長に出向。彼の管理監
督責任は当然、テレビ朝日本社にあった。ちなみにテレビ朝日には約30の関連会社があり、
その経営陣の大半は本社の幹部社員の“天下り”である。
109:2006/12/29(金) 04:33:37 ID:y4Jwno3w
被害女性が告発したセクハラの中身

 告発状は2通とも本人の自筆によるもので、N課長のものは署名のあとに実印まで押され
ていた。以下、告発状の一部を紹介する。まずは被害者A子さん。茶色の便箋にボールペン
で横書き、日付は平成14年4月16日になっている。
<この様な手紙を書く事については、大変迷いましたが、第2、第3の犠牲者を出したくないと
いう願いをこめて、ペンを取らせていただきます>
<社長が「会社で悩みはないか。何かあったら何でも言え」というので人間関係がうまくいって
ないことなどを話すと「それならプライベートを充実させろ。男に抱かれてる時は全て忘れられ
るだろう。どうなんだ?彼氏とは」と言いました。社長は私のプライベートの事を聞きたくて仕
方ないという感じでした。社長室に入ってドアが閉まってしまえば、私にとって密室の地獄で
した。「彼氏はいるのか、結婚はしないのか、どんな話をするんだ、週に何回デートするんだ」
だけでは済みません。「会ったら、だいたいセックスするんだろ?」とまで聞かれました。それ
で悩みなんて忘れろ、というのです。何て無神経。私はますます悩みました。私が会社の事
で悩んでいるというと「そうか、じゃあ今度ゆっくり話そう、夜、酒でも飲みながら」と。何とか理
由をつけて、一度も行くことはありませんでしたが、断ったあとには「何度誘っても、いつも君
はダメなんだな、僕のことが嫌いなのか?」と聞いてきます。私は追いつめられました>
<「君ってかわいい顔しているな〜」と、いやらしい視線でジロジロ。「ホントに抱きしめてやり
たい。ああ、いいなぁ、君みたいな若い彼女がほしい」と言っていました。ゾッとしました。また
ある時、社長室に入って書類を渡そうと近づくと「ン?なんだ?ンー」とキスをせがむように口
をとがらせてきました>
<会話といえば下ネタばかり・・・・・・。もう、こんな社長の下では働けない。そう思いました。
当時は相談できる相手もなく、ノイローゼになるかと思い、体を壊してしまいました>
 次に、自分の部下に連日のようにセクハラ行為を重ねるK社長に憤りを感じたN課長はこう
綴っている。
119:2006/12/29(金) 04:35:03 ID:y4Jwno3w
<彼女は「何回も労基署に駆け込もうかと考えたけれど、証拠がないので会社を相手に裁判
はできない。毎日が嫌ですごく悩んでカウンセラーに行くしかないと思った。結局、会社を辞
めれば、すべて解決すると思った」と言ってました>
<社長はとにかく下ネタの話をしたそうです(中略)。「俺は若いころ毎日風俗に通った。
ストレス解消にはセックスが一番」とか(中略)、「君は恋人が居るんだろ?ストレス解消には
セックスが一番いいんだ。特にこういう体位でやるといいぞ」と言いながら、それを真似て彼女
に見せたと言うから驚きました。朝は「昨日は(セックスを)やったのか」と聞かれ、夜は頻繁
に「飲みに行こう」と誘われたそうです>
<JCTVには自浄機能が全く働かないという事実を見てしまったことが決心させるに至りまし
た。
社員の大半がこの噂を知り(女性社員はほとんど知っている)、しかも社外の人間にまでセク
ハラをしている。もし、このことが表に出て、マスコミ等に知られたら、JCTVだけではなく、
テレビ朝日にもご迷惑がかかるのは必至です(後略)>

専務と人事局長によるヒアリング

 告発状にはA子さんの他にも、前任の秘書と放送事務局のアルバイト女性の合計3人が
次々セクハラを受けた事実が記されている。
 K社長の行為はもちろん言語道断である。しかし私が本当に問題にしたいのは、二人が血
の滲む思いで綴ったこの告発文を、テレビ朝日が役員の鶴の一声で握りつぶしてしまたこと
だ。
二人の失望感は想像に難くない。そしてテレビ朝日は問題を知りつつも、K社長を何ら処分す
ることなく、JCTVのトップに据え続けたのだ・・・・・・。
 K社長はテレビ朝日本社から、系列局の長野朝日放送に出向し、本社に帰任後の平成12
年6月にJCTV社長に就任。社長を三期務め、今年6月に同社顧問となっている。
 最初の秘書が会社を辞めたのは平成12年12月、そして次の被害者がA子さんだった。女
性社員を精神的に追いつめ平然とするK社長の横暴を、A子さんとN課長は上司であるJCTV
の局長に訴えたが、「証拠がない」と一蹴された。最後の手段として、テレビ朝日本社へ訴え
出たのだ。
 この2通の告発状は当時、関連会社の業務全般を管轄する本社関連企業部長を務めてい
た私の下に届いた。
129:2006/12/29(金) 04:36:36 ID:y4Jwno3w
 あまりにひどい内容だったので、最初のうちは「嘘かも知れない」「よくある紙爆弾かも知れ
ない」と半信半疑だった。しかし実名の告発文である。グループ会社で起きたこの事件を無視
することはできなかった。
 私はテレビ朝日のH人事局長に2通の告発状をコピーして手渡した。
 H人事局長はK社長とは同期であり、最初は驚きを隠せなかった。だが、事件があまりにも
悪質なので、何人かの人事局員と相談したうえ、調査に乗り出した。二人の顧問弁護士にも
相談し、上層部に報告を上げた。
 以下、H人事局長の調査に関するメモである。
<JCTV、K社長問題の対応の手順 02年・4・22
(中略)
 K社長があくまでセクハラを否定する場合は手紙の存在を明かす。誣告とか名誉毀損と主
張すると予想される。会社は社長の立場にたって支援すると伝えるが、この事実が一点のか
げりのない無根であることが条件であることも伝える。心理的圧迫を加えるかどうかは状況を
見てからの判断にする。判例によれば、セクハラ単独では懲戒解雇はできない。社長など上
級者の社会的逸脱行為は従業員のそれよりも重く処罰を受ける。一般社員に厳重注意を与
えるとしたら、上級者はそれ以上の処分でなくては均衡を欠くことになる(攻略)>
 平成14年4月24日午後4時、アークヒルズのテレビ朝日本社役員室において、この問題の
最高責任者であるテレビ朝日のS専務(現テレビ朝日顧問)とT総務局長、H人事局長によ
る、K社長に対するヒアリングが行われた。
 当初、K社長はシラを切っていた。だが、被害者の女性から手紙が来たことを知らされた途
端、うろたえて渋々、罪を認めたという。
 だが、事態は思わぬ方向へ流れた。
 K社長のヒアリングから数日後、私はS専務から呼び出された。役員室を訪ねると、アメリカ
支局から帰任したばかりの女性の人事局員が同席したいた。

「これ以上やると、クビが危ない」

「事実関係が明らかになった以上、被害者本人に詳しくヒアリングをした上で謝罪しなければ
ならない」
 私がこう主張した次の瞬間、その女性局員はこう反論したのだ。
「本社がヒアリングに関わると後々、面倒です。テレビ朝日の責任にされるおそれがある。止
めましょう」
139:2006/12/29(金) 04:38:25 ID:y4Jwno3w
 同じ女性として、また、被害者の立場を考えた場合、およそ理解できない言葉である。しか
も彼女は海外支局でニュース報道に携わった経験がある女性社員である(彼女は現在も報
道現場にいる)。S専務も即座に言った。
「そうか、そんなリスクがあるとはこの私も知らなかった。それなら止めよう」
 その女性局員が退席した後、さらに、S専務はこう語った。
「地方局からわざわざ呼び戻して、社長に据えた人間をわずか一期で交代させるとなると、株
主がうるさい。自分はK社長を告発したN課長を知っているが、彼は会社の不満分子だ」
 そして、信じられない言葉が飛び出した。
「週刊誌にでも載ればいいんだがなぁ」
 もし問題が表沙汰になっても、週刊誌に嗅ぎ付けられたから仕方ないと自己保身の言い訳
をするつもりだったのか。上場企業の役員としては、あまりに無責任な発言に私は驚愕した。
 結局、被害者であるA子さんのヒアリングは行われず、S専務はK社長に口頭注意を与えた
だけだった。
 セクハラは犯罪である。己の地位を利用して弱者を弄ぶ、最も卑劣な犯罪行為である。先
だっても、自動車メーカーの海外現地法人の社長が、100億円単位の損害賠償請求を起こさ
れたばかりである。
 しかしK社長は年収3千万円を保障され、反省する素振りも見られなかった。セクハラ行為
がばれた直後には「一体、誰が余計なことを喋ったんだ。必ず犯人を突き止めてやるぞ」と息
まいたそうだ。
 私は上層部の対応に納得が行かなかった。K社長に個人的な怨みは何ひとつ無いが、け
じめが必要だ。
H人事局長に調査を続行するように願い出ると、彼は「これ以上やると、俺もクビが危ない。
わかるだろ」と言った。
 その後しばらくして、私は関連会社に出向となった。そして一年後、H人事局長も地方局に
転出となった。

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 K社長はセクハラ行為について「全くの事実無根。甚だ心外だ。社内報告やヒアリンもな
い」と全否定し、「たとえば『あなたは結婚しないの』と言ったことはあるかもしれないが、その
程度」とだけ認めた。
 H人事局長は原地氏の告発を事実として認め、「S専務がKを庇った結果だった」と証言した。
149:2006/12/29(金) 04:40:32 ID:y4Jwno3w
 S専務は「セクハラが事実かどうかっていうのは分からない。事実っていうのは、訴える人
がいて、それから本人もそれを認めるっていうことで初めて事実だと思うけど、(本件では)そ
うじゃなかった。本人は全面否定していた」と語った。なぜ被害者にヒアリングしなかったかと
いう質問に対しては「先方のプライバシーの問題でできなかった」と言葉を濁した。
 被害者のA子さんはK社長のセクハラ行為を詳細に証言し、「お話ししたことに嘘はありま
せん。会社やK社長には事実として認めてほしい。当時は悔しかったが、今でも被害者がい
るのかと思うと悲しい」と語った。
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テレビ局は特権階級ではない

 あの時、私はなぜ口をつぐんだか。それは自分の会社の“恥”になると思ったからだ。当時
の私はテレビ朝日を愛するからこそ、その自浄作用に期待したのだ。しかし、私の会社への
期待は裏切られた。しかも、そんな隠蔽体質が、あれから4年経った今、『TVのチカラ』のKプ
ロデューサーの巨額不明金疑惑を呼び起こしているのだ。
 テレビ朝日は公共の電波を使い、多くの特権を与えられた報道機関である。社会的に最も
影響力のあるマスメディアが、弱いものイジメをしたり、不祥事に頬かむりするようでは、その
使命は果たせない。テレビは本来、大衆のものではなかったか。送り手であるテレビ局は、
決して特権階級ではない。
 テレビ朝日にも多くの真面目な社員はいるし、さらにその後ろで何千万人もの視聴者が支
える公器なのだ。しかし、社会的良心が欠落したままの組織では、いずれは、テレビ朝日か
ら視聴者の心は離れていってしまうだろう。
 こうして不正を告発しても、世間からは負け犬と呼ばれるかもしれない。だが、たとえ負け
の遠吠えであっても、百回吠えれば天に届く。私はそう信じている。

(了)