拉致事件を本音で語れ!偽善排除 第四十一章

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金融制裁については、ベルリン協議とは別に、1月22日からの週に、ニュ
ーヨークにおいて、アメリカ財務省と北朝鮮の代表が会い、交渉することにな
っている。この交渉の落としどころはすでに見えている。米財務省は、バンコ
・デルタが提出した北朝鮮の預金口座の出入金記録などを調べており、2400万
ドルのうち、何割かは不正とは関係ないことが確定しつつある。米側は、不正
ではないと分かった資金から順番に口座凍結を解除していくことを表明し、
北朝鮮側はそれを受け入れることで、米朝双方の面子が立つ解決ができる。
http://article.wn.com/view/2007/01/07/US_N_Korea_may_hold_financial_talks_in_week_of_Jan_22/

774:2007/01/23(火) 18:03:02 ID:SaCOiln6
6カ国協議の最終目標は、2005年9月の前々回の会合で「北京宣言」と
して発表されている。それは「北朝鮮が核開発をやめたら、アメリカと日本は
北朝鮮への敵視をやめ、北との国交を正常化する」ということである。北が核
開発をやめたら、アメリカは北との国交を正常化するという宣言は、ベルリン
協議の直前にヒル国務次官補が行った演説でも改めて表明され、アメリカの公
式な約束であり続けている。
http://www.bloomberg.com/apps/news?pid=20601101&sid=a6NEOcShPZM0
775:2007/01/23(火) 18:06:42 ID:SaCOiln6
韓国政府は1月17日、ソウル郊外にある北朝鮮との停戦ライン(38度線)
の近くに張りめぐらされているフェンスの一部を撤去する決定を発表した。
フェンスは、38度線の近くを流れている漢江の水系の川の河原に作られてい
る。朝鮮戦争以来、北朝鮮のスパイや特殊部隊が、韓国への侵入を試みる際の
潜入ルートとして、漢江水系の河原が使われることが多かった。最近では
1995年にもこの河原から潜入が試みられ、韓国軍が発見して侵入を食い止めた。
http://www.nwherald.com/articles/2007/01/18/news/nation_and_world/doc45af5c79d224c722342161.txt

 今回のフェンスの撤去は約13キロの区間で、拡大するソウルの都市開発が、
38度線の周辺区域まで及んできたため、防衛より都市開発を優先し、撤去す
ることにしたという。しかし「敵」が核兵器を開発して脅威を強めているとき
に、防衛より都市開発を優先するのは、全く奇妙である。

 韓国政府の判断が正常だとしたら、韓国と北朝鮮との敵対関係は最近、大幅
に緩和され、もはや北朝鮮のスパイが韓国に潜入することはないと韓国側が思
えるだけの南北関係が、すでにひそやかに作られているということである。

 これに関連していると思われる他の出来事もある。韓国政府は最近、男性国
民に義務づけている徴兵の期間を、2年間から1年半に、
776:2007/01/23(火) 18:07:39 ID:SaCOiln6

 これに関連していると思われる他の出来事もある。韓国政府は最近、男性国
民に義務づけている徴兵の期間を、2年間から1年半に、半年間短縮する方針
を決めた。その理由は「徴兵期間を短縮すると、その分国民の労働や消費の時
間が増え、経済成長にプラスだから」というものだ。ここでも、核の脅威など、
どこ吹く風である。これらの政策は、政府内などであまり反対されずに実現し
そうで、韓国では北朝鮮との関係改善を前提とした政策が打ち出されている。
http://washtimes.com/upi/20061222-045227-4881r.htm
777:2007/01/23(火) 18:08:48 ID:SaCOiln6
北の金正日は、昨年10月に核実験を実施する前に、韓国企業が北朝鮮で開
発した金剛山の観光地を訪問している。これは、金正日が「核兵器の開発は、
韓国との関係悪化を意味しない。韓国とは、一緒にもっと金儲けしていきたい」
という意志表示をしたのだとも受け取れる。
http://www.taipeitimes.com/News/world/archives/2006/09/16/2003327858

778:2007/01/23(火) 18:09:42 ID:SaCOiln6
前回の記事の末尾で紹介したように、先日フィリピンで開かれたアジア諸国
のASEAN+3(中韓日)のサミット会議では、北朝鮮に核廃棄は求めるが、
同時に北が経済発展できるよう国際貿易振興策も行い、北を追い詰めず、時間
をかけて問題を解決していく方向性が検討された。今後、アメリカが北朝鮮に
対する強硬策を緩和するとしたら、その後の北朝鮮問題は、中国と韓国が先導
して「アジアのことは、アジア人がアジア式に解決する」という流れの一つに
なる。
http://tanakanews.com/070118UN.htm

779:2007/01/23(火) 18:12:05 ID:SaCOiln6
▼「北を空爆する」は「中国がんばれ」

 最近、米政界の有力者が、相次いで「中国や韓国が早く6カ国協議を進めな
いと、アメリカは北朝鮮を爆撃するかもしれない」といったような脅しの発言
をした。1月18日には、ペリー元国防長官が、米議会上院でそのような発言
をした。1月17日には、以前から北朝鮮への米軍の侵攻を支持しているボル
トン前国連大使が東京で「6カ国協議はもうダメだ。国際社会は、他の方法を
考えた方が良い」と発言している。
http://english.yonhapnews.co.kr/Engnews/20070119/610000000020070119073102E2.html
http://www.zeenews.com/znnew/articles.asp?rep=2&aid=348481&sid=WOR

 これらの発言は、そのまま解釈すると「アメリカは、いよいよ北を爆撃する
かもしれない」という話になる。だが、米政府が6カ国協議にこだわり、6カ
国協議では中韓の融和策が優勢になり、米軍は中東で手一杯で北朝鮮を攻撃で
きないという現実の状況を踏まえて考え直すと、米高官の発言は、むしろ中国
と韓国に「融和策でもアジア方式でも良いから、もっと積極的に、早く北朝鮮
の問題を解決しろ」と要求しているのだと解釈できる。アメリカで「北を空爆
すべきだ」という主張が繰り返されるほど、アメリカは北朝鮮の問題を解決で
きなくなり、中国と韓国への期待が高まる。

780:2007/01/23(火) 18:13:23 ID:SaCOiln6
アメリカは昨年秋から、北朝鮮問題を早く解決しようと躍起になっている観
がある。なぜ今のタイミングで、北朝鮮問題の解決を急ぐのか。明確な答えは
どこからも示唆されていないが、一つの回答としてありそうなのは、北朝鮮の
問題を中国に解決させれば、それを機に、東アジアに中国中心の地域安全保障
体制が形成されるということだ。これにより、米市場の消費力が落ちた後の世
界経済の牽引役として期待される東アジアは、アメリカの覇権が落ちた後も、
自律的に安定を維持できる。中東が大戦争になり、アメリカの覇権が失われて
も、東アジア経済は高利回りを産み続け、資本の理論に沿った状況を崩さずに
すむ。

781:2007/01/23(火) 18:14:31 ID:SaCOiln6
▼後回しにされた日本

 2月初旬に6カ国協議が開かれ、そこで事態が進展するとしたら、2月から
3月にかけての時期に、米朝関係は大きく好転することになる。北朝鮮の要人
は、先日北朝鮮を訪問した自民党の山崎拓氏に対し「今年2月、3月に驚くよ
うな状況の変化があるから、その後、もう一度訪朝してほしい」と述べたと報
じられている。これは「もうすぐ米朝関係が好転する。日本も北朝鮮と国交を
結ばねばならなくなるだろうから、その時にちゃんと話しましょう」というメ
ッセージであると推測できる。
http://www.news24.jp/75247.html
782:2007/01/23(火) 18:15:28 ID:SaCOiln6
1月9日の山崎拓の訪朝自体、米朝関係が好転しそうだという情報を受けて
挙行された可能性がある。山拓の訪朝は、小泉前首相の訪朝の前座として行わ
れている。首相時代に2回も訪朝した小泉は「拉致問題を解決して日朝国交を
正常化した人」として、歴史に名を残したいと考えている。拉致問題が解決さ
れる前に、先に核問題が解決して米朝関係が好転してしまうと、アメリカに追
随する日本も、日朝関係を好転せざるを得ない。05年9月の6カ国協議で発
表した北京宣言にも、核問題が解決したら、米朝関係と同時に日朝関係を好転
させることが明記されている。
http://tanakanews.com/f0922korea.htm
783:2007/01/23(火) 18:17:25 ID:SaCOiln6
しかし、この流れだと、小泉が訪朝して拉致問題を解決したら日朝関係が好
転した、という話にすることができず、小泉は歴史に名を残せない。小泉が訪
朝するなら、米朝が核問題を解決する前にやらねばならない。小泉はアメリカ
の要人たちと親しい。アメリカが北朝鮮との関係を好転させるつもりなら、事
前に小泉にその情報が入る可能性は大きい。小泉・山拓側は、アーミテージ元
国務副長官と接触していたという話も、自民党筋から出ている。情報をキャッ
チした小泉は、次の6カ国協議より前に訪朝せねばならないと考え、まず急い
で代理人である山拓を訪朝させたのだろう。
784:2007/01/23(火) 18:18:35 ID:SaCOiln6
小泉と山拓は、北朝鮮に住んでいる日本人を全員いったん日本に帰国させる
ことを柱として拉致問題の解決案を作り、訪朝した山拓が、それを北朝鮮側に
提案した。しかし、北朝鮮は、すでにアメリカと関係改善できそうだと感じて
いた。アメリカとの関係を改善すれば、北朝鮮は日本に対して以前よりはるか
に優位に立てる。北が「拉致問題はもう解決ずみだ」と突っぱねても、米朝関
係好転後のアジアで孤立したくない日本は、北との関係を改善せざるを得なく
なる。

 だから、訪朝したいと申し入れた山拓に対して北側は「3月に来てくれ」と
返答し、それでも山拓が「いや、早く行きたいんだ」と言うので、一応平壌に
来てもらったが、そこでも北側は山拓の提案を断り「3月にもう一度来てくれ」
と言って帰らせた。小泉の、歴史に名を残す作戦は失敗した。

785:2007/01/23(火) 18:19:38 ID:SaCOiln6
私の分析が正しく、しかもアメリカで多極化の黒幕であるチェイニー副大統
領がCIA機密漏洩スキャンダルなどで辞任しない限り、北朝鮮問題は今後1
−2カ月間、つまり2月から3月にかけて解決していく。それと並行してアメ
リカはイランと戦争を始めて中東大戦争になり、アメリカは北朝鮮どころでは
なくなり、東アジアの問題は、中国を中心としたアジア内部で解決されていく
傾向を強める。

 日本は、その大転換の中で、事前の準備もろくにしないまま、従来の対米従
属一辺倒の国是をやめて、別の国家方針を持たざるを得なくなる。