佐賀県警の警察官の違法な職務質問で心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、
同県伊万里市の中学3年の女子生徒(15)が、県に約558万円の損害賠償を求める訴訟を
佐賀地裁武雄支部に起こしていたことがわかった。
訴状などによると、女子生徒は中学1年だった2004年11月20日午後7時ごろ、
公民館での書道教室を終えて自転車で帰宅中、私服で自分の乗用車に乗った
駐在所勤務の巡査部長(当時)に呼び止められた。
巡査部長は「(私は)駐在所のお巡りさん」と声をかけたが、女子生徒は聞き取れずに変質者と思い、
何か叫びながら後を追ってくる巡査部長から数百メートルの距離を逃げて公民館に戻った。
巡査部長は非番だったが、自転車窃盗事件の捜査中だったという。
ショックを受けた女子生徒は眠れなくなるなどし、PTSDと診断された。
現在も治療中で、学校に登校できないという。
周囲は田んぼで街灯もなく、暗かったことから、女子生徒側は「夜間、人けのない場所で叫びながら追われると、
恐怖心を抱き精神に障害を来す危険性が高い。警察手帳を見せるなど警察官であることも明確にしなかった」と、
職務質問の違法性を主張している。
県警監察課は「正当な職務質問で違法性はない」としている。
http://kyushu.yomiuri.co.jp/news/ne_06101351.htm 警官追跡でPTSDと県を提訴
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2006/10/14/02.html 佐賀県警の警官に違法な職務質問や追跡を受け心的外傷後ストレス障害(PTSD)になったとして、
佐賀県の女子中学生(15)が、国家賠償法に基づき県に約560万円の損害賠償を求める訴訟を、
13日までに佐賀地裁武雄支部に起こした。
県側は請求の棄却を求める答弁書を提出し、警官の職務に違法性はないなどと主張している。
訴えたのは佐賀県西部地区に住む女子中学生。訴状などによると、1年生だった04年11月20日午後7時ごろ、
公民館での書道教室から自転車で帰宅中、伊万里署の巡査部長(52)に呼び止められた。
現場は人けのない田んぼ道。しかも巡査部長は非番だったため私服。
自家用車に乗っており「駐在所のお巡りさん」と名乗って声をかけたというが、中学生は変質者と思い逃げた。
すると巡査部長は車で追走。中学生は「殺される」と思い、何とか書道教室までたどり着き、講師らに保護された。
巡査部長は当時、現場近くの駐在所に勤務。中学生と会う直前に自転車盗難の被害届が出ていたため、
よく似た自転車に乗っていた中学生に職務質問したと説明している。中学生の自転車は盗難車ではなかった。
中学生はこの影響で、暗い場所や男性への恐怖感から1人では外出できなくなり、PTSDと診断された。
現在も学校に行けない状態が続き、病院で治療を受けている。
原告側は「巡査部長は警察手帳を見せるなど、警官であることを明確に示さず、人権侵害を回避する義務に違反している」と主張。
夜道で女性のすぐ後ろから車で追いかけていることなどから、職務質問の違法性を指摘し、巡査部長に過失があったと訴えている。
一方、県側の主張は真っ向から対立。請求の棄却を求める答弁書を提出した上で「警察官としては職責上、追跡せざるを得ない。
原告に精神上の障害が生じたのが事実なら大変気の毒なことだが、予測できることではなく法的に因果関係はない」と反論している。