元講師に懲役18年
塾の女児殺害 京都地裁
京都府宇治市の学習塾で2005年、小学6年の堀本紗也乃さん=当時(12)=が刺殺された事件で、
殺人罪などに問われた元塾アルバイト講師萩野裕被告(24)に京都地裁は6日、「安全なはずの塾で講師
が生徒を殺害した特異な事件。犯行のむごたらしさは筆舌に尽くし難い」として懲役18年(求刑無期懲役)
の判決を言い渡した。
判決理由で氷室真裁判長は、計画性の高さなどから完全責任能力を認め「心神耗弱だった」とする弁護側
主張を退けた。
その上で有期刑を選択した理由として「(被告は)先天的な広汎性発達障害の一種のアスペルガー障害に
罹患(りかん)しストレスに弱い特性がある」ことや、被告自身が110番をして自首が成立することを挙
げた。
紗也乃さんの父親の恒秀さん(43)は閉廷後、記者会見し「刑が軽すぎる」と述べた。
萩野被告は公判で、05年5月に指導をめぐり紗也乃さんの親から苦情を受けたことに不満を持ち「ばか
にされたと思い腹が立った。その後、紗也乃さんが剣を持って襲ってくるなどの幻視にとらわれた」と供述
した。
判決は、幻視について「現実の被害者と区別して認識していた」と指摘。凶器の出刃包丁を用意し、ほか
の生徒や講師に邪魔されないよう監視カメラの電源を抜くなど周到な計画性を認定した。
公判中に実施された精神鑑定は「被告は発達障害だが、責任能力を喪失しているとまでは言えない」として
いた。
http://www.chunichi.co.jp/00/sya/20070306/eve_____sya_____007.shtml