・中国外務省傘下の半月刊誌「世界知識」は3ページをさいて産経新聞などを名指し批判した。
「言論暴力団」「保守御用喉舌(宣伝機関)」と呼ぶなど、ここまで激しい論調は珍しい。今月
上旬、日中協議の席で、中国側が日本側に報道規制を求め断られた経緯があるが、当局が
日本メディアの中国報道にいかに敏感になっているかがうかがえる。
記事は中国社会科学院日本研究所の金●(●=「亡」の下に「口」、その下に「月女凡」)・
助理研究員の執筆で「日本右翼メディアを解剖する」「日本右翼メディアの言論の“自由”と
暴力」といった刺激的な見出しが躍る。
まず「正論」執筆者らを名指しで列挙、「侵略戦争を否定し、靖国神社参拝を支持し、周辺
隣国を誹謗(ひぼう)中傷し、平和憲法改正を訴えるのが“正論者”の最大公約数」と説明。
「デタラメの論に立ち、故意に過激な言動で人の興味を引きつけようとする」と批判した。
一方、朝日新聞については、「広範な大衆を代表する進歩的メディア」と紹介し、戦後の
保守勢力台頭に断固反対する民衆と朝日新聞に対し「保守勢力は言論操作の重要性を
実感した」と解説。フジサンケイグループを、保守政財界のてこ入れで生まれた「保守勢力の
御用喉舌」と位置づけた。
さらに産経新聞などを「狭隘(きょうあい)な民族主義を吹聴するだけでなく、異論を排斥する
言論暴力団」と呼び、「朝日新聞や進歩的論客を長期にわたって悪意に攻撃してきた」と述べた。
中国は最近、日本の新聞の論調に敏感で、中国外交官が「日本新聞で産経だけが首相の靖国
参拝を支持している」と語るなど、当局の産経新聞に対する不満が強まっているようだ。(一部略)
http://ime.st/www.sankei.co.jp/news/060117/kok030.htm