沈博士は、金賢姫氏がKAL858機の機内の棚に載せたと述べたラジオ型爆薬も、
やはり安企部の調査結果などを土台として起曝装置を再構成してみると、回路が
発生する誘導電流および微電流(漏洩電流)の影響で、偶発的な起曝が発生する
可能性のある、きわめて不安定な構造を持っている」と説明した。
彼は「常識ある専門家ならば、このような形での爆薬を作らないはずであり、
金賢姫が空港検査台でラジオを実際につけてみたと述べたが、そのときに爆発
しないのが変だ」と疑問を提起した。
また金賢姫氏が述べた液体爆薬の名称「ピカティニー」(Picatinny)についても
「この用語は米国で習った専門家でなければ使わない言葉であるという点で、
北朝鮮出身という金賢姫が実際に語ったのではなく、調査過程で脚色された可能性
が大きい」と指摘した。
ピカティニーは陸軍省傘下の武器工場および爆薬研究所が位置する米国
ニュージャジー州の村規模の地域の名で、この機関の名称としても使われている。
沈博士は死亡した爆破犯、金勝一氏のベルトからC-4爆薬ではないTNT反応が
検出されたことと関連し、「事前に最終的にTNTを実際に爆破させ、予行練習を
したという点を暗示すると思われれる」と分析した。
彼は「当時、安企部で推定したC-4の350g程度の爆発力で、操縦士が救助信号も
送ることができないほど旅客機を粉々に破壊するのは不可能だ」とし「テロ犯の
身体から出たTNT反応を根拠として、貨物室で10kg以上の別の爆薬が爆発した
可能性も念頭に置いて調査が行われねばならない」と強調した。
対策委はこれと関連して、「KAL858機爆破に使われた爆薬についての安企部の
調査結果が事実と符合しないという別の疑惑が提起されただけに、政府レベルで
徹底した再調査がなされねばならない」と要求した。
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