【知られざる巨大脱税組織】韓国・北朝鮮系信用組合8
北核実験について、様々な論評が満ち溢れている。
・核実験は対米交渉力増強用のブラフに過ぎない。核実験にはいたらないだろう。
・軍部は核実験を望んでいるだろうが金正日がそれを抑えている。核実験はしないだろう。
・核保有国となれば米が攻撃してくる事はなくなる。核実験はやるだろう。
・核は売り物になる。値段を上げるためにも核実験は必要だ。核実験はやるだろう。
・今は4:2だが核実験をやれば完全に孤立する。核実験はしないだろう。
・中韓が北の生命線だが核実験はこの生命線を絶つ。核実験はしないだろう。
どれももっともな意見であり真実の一面を含んでいるのだろう。だがどの意見も、
核実験の有無を判断する根拠としては穴がある。まずはその穴をみてみよう。
・核実験は対米交渉力増強用のブラフだ。核実験にはいたらないだろう。
現時点に於いて、対米交渉力増強用のブラフである事は間違いないだろう。
明日からの南北次官級会談もまさにその目的で北が南を引っ掛けたものだろう。
では金正日はこのブラフに乗った中韓の説得に、ブッシュが乗って米朝交渉が開始されると思っているだろうか?
米国は6者協議の枠内で米朝協議を受けると何度も言明している。
中韓もそれ以上の事を米国に求める材料を持っているとは思えない。
「核実験を止める為に譲歩してくれ」と言えば、「脅しには屈服しない」と返されるだろうし、
「核実験を実施したらどうするつもりだ?」と問われれば 「安保理付託だ。それとも貴国は
北の核実験実施を支持し安保理付託を阻止するつもりか?」と切り返されるだけだろう。
つまり、このブラフでは米国を米朝二国間交渉には引きずり出せないという事だ。
金正日もそこまで馬鹿ではないだろう。
考察:核実験は中韓両国を対米説得にあたらせる材料の一つではある。
しかし中韓の対米説得が功を奏すとは思えず、そこからは別のシナリオになる。
従って、現在ブラフだからという一事を持って将来の核実験の有無を評価する事は適切ではない。
>>264 ・軍部は核実験を望んでいるだろうが金正日がそれを抑えている。核実験はしないだろう。
重村教授の説だったかと思うが、余りに内部事情に頼りすぎた説だと思う。
・これが意図的なリークである可能性
・金正日が軍部を抑えきれない可能性
・金正日が「一部の妄動主義者が暴発した」として尻を捲くる可能性
などの考慮がなされていない分析であろう。
拉致事件の経緯から推察すれば、核実験を強行した後に、国連安保理の付託を議論される時点で
「一部の妄動主義者が暴発した事件である。政府としては核実験を強行して国際社会の緊張を増す意図はなかった。」
と強弁してくる可能性は十二分にある。中韓はこれをとらえて安保理付託に反対し
「六者協議よもう一度」と夢見る可能性はある。そして再び中韓は「米国の譲歩」に問題を蒸し返す事ができる。
考察:内部情報に頼りすぎた評価であり検証の仕様が無い。
・核保有国となれば米が攻撃してくる事はなくなる。核実験はやるだろう。
イラク戦争の経緯から、また米国が核保有国を攻撃した事は無いという歴史的事実からの演繹である。
金正日の心理を分析するという意味では、非常に良い線を突いた分析だと思う。
94年合意以降も核の秘密開発を続けた理由も説明できる。
私自身の分析も非常にこれに近い。ただ、これだけでは説明しきれない事もある。例えば、
・北朝鮮は38度線沿いに多数の長距離砲/ロケット砲を配備していて、米韓の先制攻撃に対してソウルを人質にしている。
この事実に対して「何故、核に拠るさらなる抑止力を必要としているのか?」の説明が必要だろう。
考察:ソウルを人質にしている現状で、核実験によるデメリットを甘受してまで、
核による更なる抑止力を求める必要性が明確でない。
>>264 ・核は売り物になる。値段を上げるためにも核実験は必要だ。核実験はやるだろう。
付随的な理由ではあるが、金体制生き残りに比べれば余りにも瑣末な事である。
考察:金体制の行動原理を見誤っている。
・今は4:2だが核実験をやれば完全に孤立する。核実験はしないだろう。
北朝鮮が孤立を恐れて国家戦略を変更した事が今までにあっただろうか?
勿論、様々な手を用いて孤立する中でも「人道支援」を得たりする努力はあった。
それは今回でも明日からの南北次官級会議にみられる。
しかしそれは孤立を恐れているわけではない。
事実、その議題からは見事に核問題が抜け落ちている。
北が孤立を恐れない事については、次の項目と合わせて考察する。
・中韓が北の生命線だが核実験はこの生命線を絶つ。核実験はしないだろう。
北が核実験をおこなえば、確かに中韓の経済援助は途絶えるだろう。
安保理が制裁を決議すれば公式な貿易は無くなるだろう。
しかし安保理の制裁決議は「食料および医薬品を除く」のが通例である。
また北朝鮮の貿易で大きな位置を占めるのは公式な貿易ではなく非公式な貿易である。
曰く、麻薬/覚醒剤/合成麻薬/武器/偽ブランドタバコ/偽バイアグラ/偽札/etc/etc
90年代の飢餓を乗り越え、各国政府に捕捉されない「非公式貿易」を拡大した金正日が
果たして、中韓の経済援助途絶や「食料および医薬品を除く」国連の経済制裁を恐れるだろうか?
考察:既に交際社会から孤立している北が、これ以上の孤立を恐れるとは思えない。
中韓の経済援助途絶や国連安保理の経済制裁は確かに脅威ではあろうが、
90年代の飢餓を乗り越え、非公式貿易を発展させてきた北にとって、
金正日の立場からみれば、決して耐えられない状況ではないだろう。
>>264 さて、今までの考察を纏めてみよう。
・核実験をブラフとする事は中韓両国を対米説得にあたらせる材料の一つではある。
しかし中韓の対米説得が功を奏すとは思えず、そこからは別のシナリオになる。
・内部情報に頼りすぎた評価は検証の仕様が無く適切では無い。
・ソウルを人質にしている現状で、核実験によるデメリットを甘受してまで、
核による更なる抑止力を求める必要性は何なのか?。
・既に交際社会から孤立している北が、これ以上の孤立を恐れるとは思えない。
中韓の経済援助途絶や国連安保理の経済制裁は確かに脅威ではあろうが、
90年代の飢餓を乗り越え、非公式貿易を発展させてきた北にとって、
金正日の立場からみれば、決して耐えられない状況ではないだろう。
ここから浮かんでくる疑問は、
・38度線の長距離砲とロケット砲は今でもソウルを人質にしているのか?
スカッドやノドンなどの大量の弾道ミサイル群は今でも韓国を潰せるのか?
この一点である。若し、ソウルが既に有効な人質では無くなりつつあるのならば、
金正日は何が何でも核実験を強行して
「米軍に攻め込まれる前に」抑止力を確立しようとするだろう。
一方、ソウルが今もって有効な人質であるのならば、北に核実験を急ぐ理由はなく
核実験をネタに、存分に中韓 特に韓国を弄んで米国に対抗しようとするだろう。
この辺りになると、軍事・経済・政治・外交に疎い電波小僧としては、
残念ながら分析評価の根拠が無くなってしまう。ただ、
ソウルを睨む長距離砲/ロケット砲・韓国全土を射程におくスカッド/ノドン
これらについて、熾烈な情報収集戦がおこなわれているであろう事、
先のミサイル発射事件もこの文脈でみるべき事件であろう事、
今後の情勢は、ソウルが、ひいては韓国が北の人質といえるのか
米国自身が人質となる可能性は無いのか、
こういった事象の評価より決まるであろう事は言えると思う。