【電車男】2ちゃんねる発「純愛物語」に動揺しまくる人々★8

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491朝まで名無しさん
電車男 中野独人  評者 高橋源一郎(作家)
この『電車男』は、日本最大のインターネット匿名掲示板として名高い「2ちゃんねる」の
「書き込み」を本にしたものだ。
典型的な「ヲタク」青年の主人公が、電車の中で暴れる酔っぱらいの手から一人の若い
女性を救ったところから、この「物語」ははじまる。



……ところで、この本を読む前、「実は『電車男』なんて存在しないらしいですよと教えてくれた
友人がいた。すべては誰かが、掲示板の住人達をたきつけるために作り出した「物語」なのだ、
と。この現代では稀な「純愛」が、事実なのか、それとも、誰かの創作で、それに初な掲示板の
住人達が踊らされただけなのか、この本を読む限りでは判断できない。

だが、一つだけ確かなことがある。この本は、最も重要な部分を切り落とすことによって成立し
ているのである。
『電車男』は、正確には、3月14日から5月17日にかけての「物語」だ。しかし、この本は、掲示
板に掲載された最後の日をそしらぬ顔で削除し、その前日までで完結させている。
なぜなら、ネット上の「電車男」は、「大団円」の後になっても登場し、「エルメス」との性向寸前の
行為を書き込む。それまで応援していた住人達は、戸惑いを隠せず、そんなことは止めろと忠
告する。だが、暴走し始めた「電車男」は、それを無視するのである。

なぜだ?住人達を騙し果たせたことで、凱歌をあげたくなったのか?それとも、いつの間にか、
掲示板上で拍手を浴びることが、彼の目的になっていたからか?不可解なミステリーになるは
ずの「5月17日」を消し去ることで、この作品は、見事に「純愛」の顔つきをすることに成功して
いる。

朝日新聞:2004/11/28 12版 13ページからコピペしたです

隣が、小松左京さんの顔写真で、SFファンの洩れとsてしては電車男ごときが隣で非常に
申し訳なく感じてしまいました(;´Д`)