「還暦過ぎ、戦場ジャーナリスト 橋田信介 イラク現地リポート」
[日刊ゲンダイ5月12日(11日発行)より]
1日1億円かけて、210万円の水を供給している自衛隊!
今度はサマワで「バカ!」と叫びたい (なんか、映画の題名に似てるで〜)
次は6月にイラク入りする予定だが一昨日(9日)、自衛隊の第二次隊140名がクエートに到着、
5月中に計4百数十名がサマワ入りすると聞き、ぜひ報告したいことがある。
夏のサマワは少しの風でも、たちまち砂嵐になる。お粒の砂パウダーが目に入り、顔をたたく。
2週間前、宿営地で補償に立つ自衛隊員はアラブ人と同じ赤と白のターバンを頭や顔に
グルグル巻いていた。この季節、サマワの気温は日中50度に達する。土漠で息が詰まる暑さの
中、ごくローさんだが、隊員たちは日本では携行を禁止されている自動小銃を手にして、心なしか
意気軒昂、生き生きとした表情をしていた。「軍人」としての実感をかみしめていたのだろうか。
そんな自衛隊の《本業》は人道復興支援。水をサマワ住民に供給しているが、
隊員550人のうち、実際に水を作っているのは10人程度にすぎない。
1日に約150トンの水を生産しているのだが、半分は隊員の風呂や便所に費やされ、残り70トン
程度が住民に提供されている。1リットルノミネラルウオーターで「7万本」分に当たるわけだ。
が、実はサマワの商店街では1リットルのペットボトルが日本円で30円で売られている。
30円×7万本だと、費用は210万円なり。サマワ陸自の年間予算はすでに350億円を
超えようとしている。つまり、1日に1億円を費やして210万円の水をせっせっと作っている
ことになる。50倍以上の無駄な予算をかけて作る「黄金の水」である。
自公政権は「国際社会で名誉ある地位を得るため」には、安いコストと考えているのだろうが、
現地イラク人はもちろん、フランス、ドイツ、ロシア、中国の人々は
「アメリカの犬がまたバカやってる」 とせせら笑っている。
今回の自衛隊派遣は、国際社会で不名誉なバカな行為と思われているのだよ、第2次隊の皆さん。