イスラエルがやってる事をいちいち覚えていたい 7

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702産経新聞3月24日号主張 1/2
>>458-467の続編。24日付社説で取り上げた新聞。産經のみ「主張」。

平成16(2004)年3月24日[水]
【主張】ヤシン師殺害 和平行程表の原点に戻れ

 パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの精神的指導者、アハマド・ヤシン師を
イスラエル軍が殺害したことで、パレスチナの過激各派は徹底報復を宣言し、
イスラエルとパレスチナの対立は重大局面を迎えた。

 ハマスはパレスチナ人による反イスラエル闘争インティファーダが始まった
一九八七年に、対イスラエル抵抗運動組織として結成された。

 パレスチナの社会福祉運動にも力を入れ、民衆の支持を集めたが、イスラエル国家
の存在を認めず、二〇〇〇年秋以降の双方の暴力の応酬では、自爆テロなどを激化させていた。

 このため、イスラエルのシャロン政権は、ヤシン師を「最悪のテロ指導者」として非難し、
昨年九月にもミサイル攻撃し、負傷させた。米国もハマスをテロ組織と認定していた。
(続く)
703産経新聞3月24日号主張 2/2:04/03/25 17:54 ID:IkwXlewQ
>>702の続き
 イスラエル政府は今回のヤシン師殺害を、過去の経緯から「自爆テロから国民を
守るための自衛行動」だったと主張している。しかし、中東和平プロセスの推進や
国際政治の観点から見れば、今回のイスラエルの行動は決して賢明なものとはいえない。
むしろ重大な誤りですらあった。

 ヤシン師はイスラエル側にとっては憎むべきテロ指導者であっても、パレスチナ側に
とっては「民族の精神的支柱」だった。そのヤシン師を殺害したことで、イスラエルは
パレスチナ住民の心の中にある反イスラエルの火薬庫に火をつけてしまった。

 さらにパレスチナ過激派や周辺アラブ諸国の反発を米国にも向けさせる結果を
招き、紛争を地域から世界へと拡散させてしまう可能性がある。

 また、イラクでのテロを制圧し、イラク復興を一刻もはやく成功させなければ
ならないこの時期に、イスラム過激派テロの原点の一つともいえるパレスチナ紛争を
再燃させたことのマイナス効果は計り知れない。

 パレスチナ紛争の激化、泥沼化を防ぐためには、米国、国連、欧州連合、ロシアの
四者が昨年四月末に示し、イスラエル政府、パレスチナ自治政府の双方が
受け入れた新パレスチナ和平案「ロードマップ」(行程表)の原点に戻るしかない。
この行程表をまとめた四者が中心となって再度、仲介に全力をあげることが求められる。
704讀賣新聞3月24日号社説 1/2:04/03/25 17:58 ID:IkwXlewQ
http://www.yomiuri.co.jp/editorial/news/20040323ig91.htm
3月24日付・読売社説(2)

 [ヤシン師殺害]「また暴力の応酬が激化するのか」

 パレスチナのイスラム原理主義勢力ハマスの精神的指導者ヤシン師が、
イスラエル軍のミサイル攻撃で殺害された。

 ハマスを含む過激派は、報復の意思を表明した。ガザ地区やヨルダン川西岸
では、過激派とイスラエル軍の散発的な衝突が起きている。暴力の応酬が、
これまでにも増して激化しかねない。憂慮すべき事態である。

 それぞれが報復の論理に従って力を行使しても、和平や安全は得られない。
それが、長い紛争の教訓である。パレスチナ、イスラエル双方に、最大限の
自制を求めたい。

 すでに暗礁に乗り上げている中東和平構想「ロードマップ」(行程表)の行方も、
危惧(きぐ)される。来年末までのパレスチナ国家の樹立と、イスラエルとの共存を
見通した行程表は、両当事者が合意し、国際社会も認めた和平への唯一の指針
である。崩壊させてはなるまい。
(続く)
705讀賣新聞3月24日号社説 1/2:04/03/25 17:59 ID:IkwXlewQ
>>704の続き
 イスラエルのシャロン首相は、ガザ地区にあるイスラエル人入植地の撤退方針を
明らかにしている。ヨルダン川西岸における「分離フェンス」建設と併せ、パレスチナを
イスラエルから切り離すことで治安を強化する構えだ。

 ただ、シャロン政権としては、イスラエル軍がガザ地区から入植者とともに撤退した後、
ハマスが支配力を高めることは容認できない。さらに、ハマスのテロに屈しての撤退、
と見られることも耐えられない。ヤシン師殺害の背景には、そんな理由があったようだ。

 シャロン首相は、「テロリストの首領を仕留めた」と、ヤシン師殺害を正当化した。
しかし、和平達成が最終目標だとしたら、こうした軍事行動は逆効果にしかならないの
ではないか。

 中東諸国だけでなく、日本や欧州各国が、今回の行動を非難したのは、そんな
懸念からだ。通常ならシャロン政権に理解を示す米国が批判に踏み切ったのも、
同様の理由からだと見られる。

 米国にとって、欧州連合(EU)やロシア、国連との四者で作成した行程表が
反古(ほご)になるようなことになれば、中東政策の大幅な見直しも必要になる。
避けたい展開だろう。

 イスラエルは、テロを取り締まる意思も能力もないとして、パレスチナ自治政府
との和平交渉を拒んでいる。しかし、事態は切迫している。暴力の連鎖が制御不能
に陥る前に、両当事者はまず、何らかの接点を探ることだ。

 国際社会の積極的な関与も、これまで以上に求められる。パレスチナ紛争は、
中東情勢の鍵を握る。和平への道を切り開く努力を放棄してはなるまい。
(2004/3/24/03:00 読売新聞 無断転載禁止)
706朝まで名無しさん:04/03/25 17:59 ID:C50k6uyj
>>697
ハマスって今まで米国人を殺害したことがないってどこかで読んだ
気がするんですが、ホントなんでしょうか?
でも、ハマスが米国人を狙わないのはなんとなく理解できます。
彼らは反・西洋ではなく生存権をかけて戦っているでしょうから。
それどころか国連より米に期待している節があるような。(反米感情はあるんだろうけど)
ハマスは心の中じゃアラブ諸国やアルカイダのような組織に期待を持ってないんじゃないかな…
707音楽奴隷 ◆5c/UstWSY. :04/03/25 18:01 ID:KOJRus9Q
しかし合衆国はアスラエルに肩を持ちすぎだな。
パレスチナ人があまりにも可哀想だ。
結局パレスチナは、中立地帯にするしかないんじゃないか。
708朝まで名無しさん:04/03/25 18:04 ID:GbBpQlyS
パレスチナを暫定的にシリアに併合してしまうのはどうでしょうか
709虚紫上人 ◆6vB1BCZ9yE :04/03/25 18:05 ID:iEBRtmaa
>>708
意味がない・・・
710日本経済新聞3月24日号社説 1/2:04/03/25 18:06 ID:IkwXlewQ
http://www.nikkei.co.jp/news/shasetsu/20040323MS3M2300Z23032004.html
社説2 国際介入で全面衝突を防げ
 イスラエルによるイスラム原理主義組織ハマスの創始者、アハマド・ヤシン師の
殺害は暴挙としかいいようがない。シャロン首相はヤシン師の殺害をハマスによる
テロ抑止のためとしているが、自らに不利益な人物を暴力によって排除すること
こそテロである。シャロン首相にテロを批判する権利はもはやない。

 テロはテロの応酬しか生まないことをパレスチナ、イスラエル双方は長年の
流血によって知っているはずだ。にもかかわらず、同じ過ちを繰り返すシャロン政権
に対し単なる非難ではすまない。日本を含め国際社会は強い姿勢で臨み、政策の
抜本転換を迫るべきだ。

 パレスチナの状況は危機的だ。ヤシン師殺害に激高する民衆はイスラエルへの
報復、全面戦争を叫んでいる。和平を望む声は影を潜めた。大規模な無差別自爆テロ、
イスラエルの要人暗殺の恐れはかつてないほど高まっている。パレスチナ側が大規模
自爆テロを起こせば、イスラエルが報復攻撃を自制する可能性はまずない。テロと
攻撃のとめどない連鎖が始まりかねない。
(続く)
711日本経済新聞3月24日号社説 2/2:04/03/25 18:07 ID:IkwXlewQ
>>710の続き
 アラブ世界、イスラム世界全体への波及も不安だ。イラク国内では今回の事件で
反イスラエル、反米感情がさらに強まり、テロを活気づかせる恐れがある。6 月末に
予定されるイラク人への政権移譲にも影響しかねない。アルカイダなど国際的な
イスラム過激派組織が反イスラエルの空気に乗り、世界でテロ攻撃を活発化する懸念もある。

 国際社会はテロと攻撃の連鎖、民衆も加わった全面衝突を防ぐため、あらゆる
手段を早急に講ずるべきだ。米、欧州連合(EU)、ロシア、国連の4者の代表が
カイロで協議したが、沈静化のための具体策を早く出さなければ意味がない。
国連安保理の場での協議も不可欠だろう。

 昨年4月、4者は中東和平の指針となるロードマップ(行程表)を提示し、
イスラエル、パレスチナ双方が受け入れた。それから1年足らずで行程表は
崩壊の瀬戸際にある。

 まずイスラエル、パレスチナ双方に自制を求めたい。だが、それ以上に必要
なのは、世界がパレスチナ問題解決への強い意志を示し、迅速な行動を
起こすことだ。
712朝まで名無しさん:04/03/25 18:09 ID:W66/Nl5d
>>701 そこがイスラムのイスラム(w に彼らが反している証左なんよ。
クルアーンはアラブを一にする為に生まれたものだから。
イスラム社会の中ではバイブルのような二つ三つの価値を有しない筈ながら、
シーアとスンニという対立を生み出している。そこで価値の対立ではなく単なる
権力闘争に思えてくるんだよね。スレの趣旨とは大きく離れるが。
713琉球新報3月24日号社説 1/2:04/03/25 18:09 ID:IkwXlewQ
これで全国紙の社説は出そろった。次は地方紙から。
http://www.ryukyushimpo.co.jp/shasetu/sha26/s040324.html#shasetu_2
ヤシン師殺害・米国は無謀行為とがめよ

 ただでさえ障害が多く困難な道のりにある中東和平を、一層悪化させる事件だ。
イスラエルがパレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの指導者ヤシン師を
ミサイルで攻撃し、殺害した。

 愚かな行動としか言えない。イスラエルのシャロン首相は、「最悪の殺人者を
殺害した」と述べ、「テロとの戦い」を強調している。

 だが、その言葉とは逆に、各国からは非難の言葉が飛び交っている。アラブ、
イスラム世界はもちろん、ヨーロッパでも欧州連合(EU)が外相理事会で「法手続き
を経ない殺人」としたほか、各国が一斉に批判している。ローマ法王庁も
「暴力的行為はいかなる法によっても正当化されない」と声明を出した。

 国連のアナン事務総長も「国際法に反する」としているし、この種の国際間の
問題に慎重なわが国でさえ、福田康夫官房長官が「考慮を欠いた無謀な行為で
正当化できない」と非難した。「不法」「無謀」な行為で国際社会は一致している。
(続く)
714琉球新報3月24日号社説 2/2:04/03/25 18:12 ID:IkwXlewQ
>>713の続き
 こうした声にもかかわらず、イスラエルはなお強硬さを貫こうとしている。その
後押しとして期待しているのが米国だ。各国がイスラエル非難で声をそろえるなか、
米国だけは非難を避けている。イスラエルの主張する「テロに対する自衛権」にも
唯一理解を示している。

 米国の中東政策はイスラエル寄りだと指摘されながらも、新中東和平案
(ロードマップ)をまとめた。一時、「報復の連鎖」を断ち切り、和平に向け歩み
出したこともある。だが、なお「連鎖」は続いている。多くの妥協で積み上げられた
和平案も崩れ出し、計画通りの実現には、困難すぎる状況まで戻っている。

 この最悪の状況は打開しなければならない。今、求められるのは軍隊を所有
するイスラエルの自制だ。新たな和平への道を探り出すためには不可欠なことだ。
そしてまた、イスラエルに国際世論から懸け離れた「暴挙」であることを認識させる
のも重要だ。それが、和平の仲介者・米国の役割のはずだ。
715中国新聞3月24日号社説 1/2:04/03/25 18:17 ID:IkwXlewQ
http://www.chugoku-np.co.jp/Syasetu/Sh04032401.html
ヤシン師殺害 暴力の報復に光なし
'04/3/24

 パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの創始者アハメド・ヤシン師が
イスラエル軍によってガザ市内で殺害された。イスラエルの行動はパレスチナ和平
への道を閉ざす愚行というほかない。二〇〇五年を目標にしたパレスチナの平和
への指針、新和平案(ロードマップ)は崩壊の危機にひんしている。ロードマップの
具体化に向け、実効力のある取り組みには米国の役割が欠かせない。

 ヤシン師はアラファト自治政府議長と並ぶパレスチナ人の象徴的存在だった。
ヤシン師の死を悼み、ガザ市中心街は数十万人の市民で埋め尽くされた。
その影響力の大きさがうかがえる。

 ここにきてパレスチナ側の報復は避けられない情勢である。カリスマ性の
強い指導者を失ったハマスは、全面戦争も辞さない構えである。暴力の
悪循環が懸念される。

 一方のイスラエル側は、ヤシン師が一連の自爆テロの首謀者として、殺害の
正当性を主張している。確かにハマスは自爆テロを繰り返し、多くの命を奪って
きた。しかし、だからといってヤシン師の殺害が正当化されるべきではない。

 なぜイスラエルは報復を覚悟の上で、ハマス幹部を殺害する作戦をとったのか。
シャロン首相が国内の弱腰批判を封じ込めるためと考えられる。米国などが
昨年まとめたロードマップに見切りをつけ、「武力による紛争解決」に傾斜している
現実もある。ハマスの相次ぐ自爆テロはイスラエルの強硬姿勢が誘発している面も
否定できない。
(続く)
716中国新聞3月24日号社説 2/2:04/03/25 18:18 ID:IkwXlewQ
>>715の続き
 だが、武力による解決がいかに困難かはイラクの状況をみれば明らかだろう。
もちろん、ハマスの自爆テロも許されるものではない。過激な組織を統制できない
自治政府の指導力不足こそ問われるべきである。

 今回のイスラエルの行為に対し、国連をはじめ欧州各国がイスラエルを非難
したのはもっともである。福田康夫官房長官も「和平の実現を損なうもので、
極めて遺憾」と述べた。当然だ。

 ところが、イスラエルに最も影響力がある米政府は「困惑している」としながらも
イスラエルの「自衛権」を尊重する立場を示した。「テロとの戦い」を最優先課題と
するブッシュ大統領は、これまでもシャロン政権によるパレスチナ自治区のテロ組織
リーダーの殺害を事実上、黙認してきた。イラク情勢の泥沼化に加え、米国には
イスラエル本国に匹敵するユダヤ人が住んでおり、十一月に大統領選を控えた中、
あいまいな態度を取らざるを得ない事情もあろう。だが、イスラエル、パレスチナ双方
には「最大限の自制」を呼び掛けるというだけでは納得できない。

 イスラエルに親密な米国こそ、中東和平に向けて強力なリーダーシップを発揮すべき
である。ロードマップが破たんする事態になれば、米国の責任といわれても仕方ない。

 懸念されるのはヤシン師殺害を口実に、新たなテロの脅威が世界に飛び火しないか
ということだ。事件後、国際テロ組織アルカイダ系を自称する組織が「米国とその
同盟国に報復する」という声明を出した。日本も人ごとでは済まされない。
717朝まで名無しさん:04/03/25 18:22 ID:GbBpQlyS
>>709
これ以上領土を食われないためと、国家vs国家なら話の持っていき方が違うだろうということ。
718朝まで名無しさん:04/03/25 18:22 ID:DeNt3zom
巨大珍走団、ドメイン名取得して公式サイトを開設2
http://ex2.2ch.net/test/read.cgi/net/1080203593/
719新潟日報3月24日号社説 1/2:04/03/25 18:23 ID:IkwXlewQ
http://www.niigata-nippo.co.jp/column/old_search_sya.asp
2004年3月24日(水)

ヤシン師殺害 力の対決からは何も生まれぬ
 ただでさえ失速状態にあるパレスチナ和平プロセスを、絶望のふちに追いやる
無謀な策というほかない。
 イスラエル軍が、パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの精神的指導者、
アハメド・ヤシン師をミサイルで殺害した事件のことだ。
 パレスチナ人とその社会は深い悲しみと激しい怒りに包まれている。事件は
衝撃波となってアラブ諸国や世界に広がり、国際社会からイスラエルを非難
する声が相次いだ。
 日本政府は「中東全体に悪い影響を及ぼす」と懸念を表明したが、当然の
ことだ。国連のアナン事務総長も「国際法に反する行為を強く非難する」と
踏み込んだ感想を述べている。
 ハマスは「イスラエルのシャロン首相を報復の標的」とする全面戦争を宣言し、
それに対抗してイスラエル軍はガザ地区に戦車などで侵攻した。パレスチナ和平
の息の根を止めてしまいかねない、憂慮すべき事態だ。
 イスラエルはこれまで、ハマスの自爆テロには激しい軍事報復を加えながらも
ヤシン師の殺害は自重してきた。ヤシン師がパレスチナ人から絶大な尊敬を集めて
いることを無視できなかったからだろう。
 今回、シャロン首相の指揮で殺害を実行したことで、イスラエルは一線を越えて
しまった。話し合いではなく「力によるパレスチナ問題の解決」を宣言したも同然だ。
 ハマスが報復行動に出ることは必至だ。新しいインティファーダ(反イスラエル闘争)
が始まることも予想される。このままではパレスチナ情勢が収拾不能に陥る恐れがある。
 深刻な局面であり、一刻の猶予も許されない。暴力の連鎖を食い止めるために、
米国はもとより国連も積極的に介入しなければならない。
(続く)
720新潟日報3月24日号社説 2/2:04/03/25 18:24 ID:IkwXlewQ
>>719の続き
 それにしても、なぜイスラエルはヤシン師の殺害という強硬策に打って出たのだろうか。
 イスラエルとパレスチナ自治政府は昨年六月、米国や国連などがまとめた新中東和平案
(ロードマップ)を履行することで合意に達した。新和平案には、パレスチナ国家樹立と
紛争解決への道筋が描かれている。
 その後、ハマスが自爆テロを繰り返し、新和平プロセスを停滞させてきたことは確かだ。
イスラエルはハマスを取り締まることのできない自治政府にも不信を募らせていた。
 しかし、シャロン政権のパレスチナに対する強硬一辺倒のやり方にも大いに問題が
あった。ハマスのテロに過剰なまでの武力による制裁を加えて、流血と憎悪を拡大させた。
 パレスチナ人が住むヨルダン川西岸とイスラエルを分離する壁の建設もパレスチナの
強い反発を呼んだ。
 分離壁は全長七百キロで、パレスチナ国家の領土となるはずの西岸に深く食い込んで
つくられようとしている。イスラエル側に取り込まれた形で孤立するパレスチナ人が、
人口全体の一割に当たる三十万人にも上る。
 新和平案を無視して分離壁の建設を強行する一方で、シャロン首相はガザ地区
からのイスラエル人入植地の撤収を公表した。これが右派勢力から批判され、
それをかわすためにハマスをたたく必要があったと見られる。
 こうした力の政策は、パレスチナ紛争の火にさらに油を注ぐだけだ。シャロン政権
の政策を黙認し続けてきたブッシュ米政権の責任も重い。
 ハマスは軍事部門だけではない。教育や福祉、医療などの面でパレスチナ人の
生活を支えている。ハマスを力で押さえ込めば、ハマスにパレスチナ人の同情が
集まり、イスラエルへの憎悪が高まるだけだろう。
 ここは、イスラエルに強い影響力を持つ米国が乗りだすしかない。その米国は
「テロへの自衛権」を理由に、ヤシン師殺害に理解を示すかのような態度を取って
いる。新和平プロセスの仲介者として、シャロン政権にもっと毅然(きぜん)とした
姿勢を示すべきである。
721虚紫上人 ◆6vB1BCZ9yE :04/03/25 18:25 ID:iEBRtmaa
>>717
どこを併合しちゃうの?

イスラエル?
自治区?
それによって話し変わるけど・・・
722徳島新聞3月24日号社説:04/03/25 18:29 ID:IkwXlewQ
http://www.topics.or.jp/Old_news/s040324.html
ヤシン師殺害 火薬庫に油を注ぐ暴挙だ

 パレスチナのイスラム原理主義組織ハマスの指導者アハメド・ヤシン師が、
イスラエル軍のミサイル攻撃で殺害された。ハマス側は即座に報復を宣言、
自爆テロと報復の悪循環が続くパレスチナ情勢が一気に緊迫の度を増し、
全面戦争に突入する恐れも出てきた。

 殺害を指揮したイスラエルのシャロン首相には、ハマスを壊滅させ、自爆テロ
を封じ込める狙いがあったとみられる。しかし、軍事力がテロを抑えられないのは
明らかで、事態は火に油を注ぐ最悪の結果となった。

 ヤシン師殺害は後先を考えないシャロン首相の暴挙であり、国際社会からの
非難は免れない。一方のパレスチナにも強く自制を求めたい。さもなければ
”中東の火薬庫“といわれるパレスチナ問題が一気に爆発し、中東全体に悪影響
を及ぼしかねないからだ。

 イスラエルとパレスチナ自治政府は昨年六月、ブッシュ米大統領の仲介で、
両者の平和的共存を図る新和平案(ロードマップ)の履行を宣言した。二○○五年
までのパレスチナ国家樹立を目標に、イスラエルは軍の撤退、パレスチナは
自爆テロなど反イスラエル闘争の放棄を目指すことで合意していた。

 しかし、その後もテロと報復の連鎖が断ち切れず、新和平案はがけっぷちに
立たされていた。この間、イラク戦争に明け暮れ、パレスチナ問題を放置した
ブッシュ政権にも大きな責任がある。

 ヤシン師殺害で新和平案は完全に崩壊の危機を迎え、パレスチナ問題は
手の施しようのない状態になった。しかし、黙って見過ごすわけにはいかない。

 米国はイスラエルに自制を促すとともに、あらためて新和平案に立ち戻る
よう、早急に調停に乗り出すべきだ。
723朝まで名無しさん:04/03/25 18:32 ID:GbBpQlyS
>>721
とりあえずは自治区を併合して、占領地の返還交渉。
局地的な武装闘争になるにしても、国家になってしまえば「テロとの戦い」なんて切り捨てることは出来ない。
724朝まで名無しさん:04/03/25 18:36 ID:8ZURhXHJ
四面楚歌とは、このこったろうな。周りは全部猛烈なイスラム崇拝国家だし。
我慢しきれずとうとうブチきれたってとこだろう。
頼りは周辺イスラム諸国より圧倒的に有利な軍事力経済力ってとこか。
ユダヤ人のパレスチナ虐めはやりすぎだが、何故にイスラム崇拝諸国が
総じて貧困にあえいでいるのか崇拝者自身で自らを省みる必要も有ると
思う。ま、ムリだとは思うけどね。
725虚紫上人 ◆6vB1BCZ9yE :04/03/25 18:37 ID:iEBRtmaa
>>723
そんな簡単にはいかないんじゃない?

イスラエルは最近シリアにも攻撃射掛けてるし、
アメリカもテロ戦争という名目でシリア・イラク・UAEに攻め込むという話もあったくらいだし。
それに逆にテロ支援国家というかもしれないしね。

だから国家になったからとはならないと思う。
726南日本新聞3月24日号社説 1/2:04/03/25 18:39 ID:IkwXlewQ
http://373news.com/2000syasetu/2004/sya040324.htm
【ヤシン師殺害】何の解決にもならない
 パレスチナ自治区ガザで、イスラム原理主義組織ハマスの精神的指導者である
アハメド・ヤシン師がイスラエル軍に殺害された。怒りはパレスチナにとどまる
はずがなく、紛争の泥沼化は避けられそうにない。

 ヘリによるミサイル攻撃はイスラエルのシャロン首相が承認した。だが、
テロの封じ込めが理由にせよ、暗殺は暴力の応酬をエスカレートさせるだけで、
国際社会が強く非難したのは当然である。

 ハマスはシャロン首相を標的に全面戦争を宣言、他のパレスチナ過激派も
報復を一斉に呼びかけた。暴力の連鎖の悪化は必至で、パレスチナ住民の
憎悪がアラブ世界全体に広がる恐れもある。

 ヤシン師は1987年にイスラエルからの解放を目的にハマスを創設した。
自爆テロに目を奪われがちだが、ハマスが広く浸透したのは医療や教育など
福祉活動にも力を入れてきたことが大きい。

 パレスチナ解放機構(PLO)のアラファト議長と並ぶ人望を、ヤシン師は集め、
イスラエルには目障りな存在であったろう。しかし、その影響力の大きさゆえ、
これまで手を出せなかった。
(続く)
727南日本新聞3月24日号社説 2/2:04/03/25 18:39 ID:IkwXlewQ
>>726の続き
 シャロン首相が一線を踏み越えた背景には、自爆テロを止められない自治政府
への不信がある。話し合いによる和平をあきらめ、パレスチナ分離しかないとして
ガザ地区にあるイスラエル人入植地の撤去を表明、分離壁の建設を進めた。

 そのためには撤去前にハマスを徹底してたたく必要があった。自治政府に代わって
ハマスがガザの主導権を握るのは避けたいとの思惑があったと思われる。

 首相は「最悪の殺人者」を殺したと作戦を正当化した。だが、組織内の穏健派と
強硬派のバランスを保ってきた面もある師を、国際テロ組織を率いるビンラディン氏
と同格視するのは無理がある。

 殺害によってハマスが弱体化するとも思えない。むしろ「殉教者」を慕ってテロは
激化し、混迷はさらに深まろう。

 イスラエルに対する発言力を発揮すべき米国が、イスラエル寄りの姿勢に終始
しているのも解せない。新和平案(ロードマップ)に基づく交渉再開の仲介役である
べき米国への不信が増幅すれば、中東和平の推進自体が行き詰まる。

 イスラエルとパレスチナ双方は、十分に結果を考えないまま行動する愚かさと
結果の重大性に気付くべきだ。事態の打開には互いが譲歩し合うしかない。
国際社会は今こそ確たる決意を持って、和平への働き掛けを強めなければならない。
728名無しさん@お腹いっぱい。:04/03/25 18:43 ID:FEOawNKW
つーか仮に逆の立場に立ったらお前は間違いなくハマスの人間だろ>シャロン
729世界日報3月24日号社説 1/3:04/03/25 18:44 ID:IkwXlewQ
最後に、統一協会系の新聞も言及していたので資料として引用する。
やはり、一番イスラエル寄りである。

http://www.worldtimes.co.jp/syasetu/sh040324.htm
ヤシン師殺害/不毛な報復の連鎖を断ち切れ
 イスラエル軍が、イスラム根本主義組織ハマスの精神的指導者ヤシン師を
殺害した。ハマスの創設者であり、パレスチナばかりかアラブ世界からも支持を
得ていたヤシン師の殺害で、パレスチナ情勢がさらに流動化するのは必至だ。

国際テロ組織との合流も
 ハマスは、イスラエルの占領下でモスクを拠点に住民に医療や教育を施し、
支持を拡大してきた。自治政府は腐敗が指摘され、信頼を失う一方、イスラエル
の攻撃で統治能力を著しく失っている。ヤシン師殺害により住民のハマス支持が
拡大するのは間違いない。

 一方で、精神的指導者の喪失が、ハマスの分裂、暴走につながることもあり得る。

 国際テロ組織アルカイダ系組織が事件を受けて、「米国と同盟国」への報復を
訴えた。これまでハマスは、アルカイダとは一線を画すとともに自治区内に活動を
制限してきたが、今後、活動エリアを拡大したり、国際テロ組織と合流したりする
可能性もあると指摘する専門家もいる。

 イスラエルのシャロン首相はこのところ、パレスチナとの「分離」を進めている。
ヨルダン川西岸の防護壁がその手始めであり、最近表明したガザ地区からの
全面撤退もその一環だ。占領地からの撤退はパレスチナの要求にかなうはず
だが、この撤退案を受けて、武力衝突が激化するという皮肉な結果が生まれている。
(続く)
730世界日報3月24日号社説 2/3:04/03/25 18:45 ID:IkwXlewQ
>>729の続き
 ハマスはすでに自治政府をもしのぐほどの支持を、ガザ地区で得ている。民兵が
横行し、ガザ地区内は無法地帯化している地域もある。警察でも手を出せないことも
あるほどだ。撤退後の空白を、ハマスが埋めることになれば、地区内の秩序は損なわれ
混乱は増す。

 イスラエルは、二〇〇〇年五月に南レバノンから軍を引き揚げたが、これに対し
イラン系シーア派過激組織ヒズボラはイスラエルへの勝利をアピールし、基盤を
強化したという苦い経験がある。ハマスはガザ撤退でも同様の効果を狙うが、
イスラエルとしては同じ失敗を繰り返すことはできない。

 ヤシン師殺害は、このガザ地区撤退の一環だ。イスラエルは反発を恐れ
殺害を見送ってきたが、昨年九月に同師殺害を試みた。

 今回殺害実行に至ったのは、ガザ撤退前にハマスをたたいておくことの必要性を
シャロン首相ら保守閣僚が認めたためだ。それもこれまでにない規模でハマスを
たたき、場合によっては壊滅を目指すという「決意表明」と取れよう。
(続く)
731世界日報3月24日号社説 3/3:04/03/25 18:45 ID:IkwXlewQ
>>730の続き
 しかし、ヤシン師殺害がハマスにとって打撃となるか、逆に勢力を増す結果と
なるかは今のところ不透明だ。

 ハマスは、ヒズボラと協力関係にあることが指摘されているが、反イスラエル闘争
の先鋭化が「アルカイダとの協力につながる可能性」(ポラズ・イスラエル内相)もある。

 さらに、アラブ諸国では「ヤシン師殺害には米国の承認があったはず」との見方が
広がっており、中東で反米感情が高まることが懸念される。イラク復興への影響も
あり得よう。

「2国家共存」実現に向け
 国際社会は「イスラエル・パレスチナ二国家共存」で一致している。しかし、和平案が
暗礁に乗り上げ、紛争が激化する中で、パレスチナ情勢への関心は失われている。
これは、パレスチナ難民への支援がここ数年、大幅に減少していることを見ても明らかだ。

 欧米、国連など国際社会は、不毛な報復の連鎖を断ち切り、「二国家共存」を
実現するために、和平への働き掛けを強めるべきだ。