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申し訳ありません。
友梨ちゃんは、わたしが誘拐して殺害してしまいました。
最初から殺す気はありませんでした。ちょうどあの時わたしが車で通りかかる
と、友梨ちゃんはニッコリ笑ってこちらに挨拶しました。
わたしは、車を止めて二言三言話し、実家への帰宅途中でついでに彼女の家の
すぐ脇を通るからと、ごく軽い気持ちで彼女を乗せて車を発進させました・・・
その後の詳しい経緯は勘弁して下さい。とてもわたしの口からは言えません。
何であんなことになってしまったのか、今でもハッキリとは思い出せません。
・・・・ともかく友梨ちゃんの遺体を隠すために、日が暮れるまで町はずれの
空き地に車を止めて車内でジッとうずくまっていました。
ようやく夜8時過ぎに外が真っ暗になったので、熊取明神の鳥居の脇まで車を
乗り入れ、後部座席に置いてあった小型シャベルを取り出して、神社の拝殿の
後ろ、裏山の麓あたりにある大きな楓の木の側を1メートルぐらい掘って、そ
こに友梨ちゃんの遺体を埋めました。表面は近くの落ち葉や苔をかぶせて土の
色の変化がわからないようにしました。
夜の10時頃にようやく作業を終えましたが、幸い誰にも見られずにすみました。
そのあとは、車で熊取町を出てまっすぐに自宅に帰りました。
あれからもう1年以上になりますが、あのことが事実だったのか、夢だったの
か、いまでもハッキリしません。まるで一時の悪夢を見たような気持ちです。
・・・・・残念ながら今はこれ以上のことは言えません。悪しからず。